おどろく人 ページ14
身体が浮いて気付けば彼に抱えあげられていた。
「……!!!やめて!お願いだから降ろして!」
力で叶わないことを知っているのに、力でものを言わせようとするなんて最低だ。
背中をどんどんと叩いても彼は何も言わなかった。
ただ黙ったまま家の中へ入って、この前と同じように、だけどもっと乱雑で荒々しくソファーに私を落とした。
彼が怒っていることなんてすぐに分かった。
恐怖のあまり喉を引き攣らせたが、怒りの感情を抱いているのは私も同じだった。
「なんでっ、浮気したくせに!連絡も一度も寄越さないで、怒るのは私の方だよ!!」
耐え切れず結局流した涙に彼は怯んだようだった。
「ひどいよ。ずっと帰りを待ってたのに。」
慌てて口を開いた。
「違うっ!!浮気じゃない!!」
「あの写真を見ても本当にそんなことが言えるの?
綺麗な人だったね。すっごく楽しそうで」
「だからっ…!!あぁ、もう、これ!!」
そう言って眼前に突き出されたのは、有名なジュエリーショップのロゴが入ったショッパーバッグだった。
「もっとかっこよく渡したかったのに……」
訳が分からない。
何、これ?と聞くと、袋から何かを取りだして私の手を引いた。
「遅くなってごめん。勘違いさせてごめん。
俺にはAだけだよ。それだけは信じて、お願い。」
小さな箱から覗いたのは、思わず息を呑んでしまうような、"指輪"だった。
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はる(プロフ) - 初めまして!1と2、公開して頂きありがとうございます!ずっと読みたかったので一気に読みました。途中で涙止まらず…1と2を読んで3を読むとまた違った視点で読めて凄く楽しいです。話がやっと繋がりました。3の更新もホント嬉しいです!これからも待っています! (1月30日 2時) (レス) @page26 id: 7953a5096d (このIDを非表示/違反報告)
かおり(プロフ) - 更新、楽しみにしていました。ありがとうございます! (1月29日 23時) (レス) id: 011b5f1b71 (このIDを非表示/違反報告)
はるきち(プロフ) - もう一度初めから読みたいです…パスワード教えて頂きたいです! (1月21日 0時) (レス) id: d1652f67c1 (このIDを非表示/違反報告)
ジ - 初めから読ませていただきたい為、よろしければパスワードを教えていただきたいです。お願いします! (12月12日 0時) (レス) id: 9c721e875e (このIDを非表示/違反報告)
ねぇい(プロフ) - コメント失礼します。初めから読ませていただきたい為、よろしければパスワードを教えていただきたいです。よろしくお願いします。 (12月1日 11時) (レス) id: 4c70fa6baa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あきら | 作成日時:2023年7月8日 12時