素のアイドル2 (ページ46)

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ピアスホールと照ページ46

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照の少し冷たい、皮の厚い指でするりと耳たぶを撫でられる

｢んぇ、？どぉしたの？｣

スマホから目を離し照を見るも、目線は合わず首を傾げる

｢これさぁ、自分で開けたの？｣

照のいう“これ”とはもう今はとじたピアスホールのことだと、少し間をあけてから気づいた

｢あ〜…元カレ。けどもぉ閉じてるし｣

少し気まずくて目線を逸らしてそう言うも、依然としてふにふにと耳たぶをいじる照

｢へぇ｣

小さく、けれども低くそう呟いた照の声は少しの苛立ちを含んでいた

耳たぶを触っていた手はするりと頬を撫で離れる

気まず、なんて思い既に暗くなったスマホの画面に視線を移す

｢ピアスさぁ、俺が開けてもいい？｣

少し張りつめた空気の中、そう聞く照に少し拍子抜けする

｢え、？べ、つにいいけど｣

なんで急に、なんて思いながら返事をする

まぁ開いてたからって不便なことは無いし、おしゃれとしてはいいかな、なんて

｢ピアッサー買ったの？｣

今すぐにでも開けそうな照にそう聞くと、ゆるりと笑って

｢買ってないよ｣

なんて言う

じゃあ後日改めてかなぁ、なんて思っていると、自身のピアスを外し始めた照

最近照がつけている、少し大きめのゴールドのピアス

｢じゃあ開けるね｣

するりと耳たぶに触れ、そのピアスを当てる

｢え、！？照、！まって！｣

まさかの行動をとる照に慌て、静止するよう声をかけるも照はゆるりと口角を上げたままだった

｢あんま動かないでよ｣

｢手元狂っちゃう｣

平然とそう言う照に、ぞくりとして体が強ばる

シャフト部分をぐっと押し当てられ、あまりの痛みに顔を顰め、声を漏らす

｢ひか、！痛いっ、！｣

なんて言っても力を緩められることなく、むしろより強い力を加えられる

ぷつりと皮膚を裂く音がして、生ぬるい血が耳から首へと伝う感覚がわかる

あまりの痛みで涙を流す彼女の瞼にキスを落とし、首筋を伝う真っ赤な血を舐めとる

｢Aは、俺のだもんね｣

ちろりと赤い舌を覗かせ唇を舐める照

どこか狂気的でありながらも、それすら色気と感じ取れる雰囲気を纏わせた照に何も出来ない

｢じゃあこっちも開けよっか｣

するりと反対側の耳たぶを撫でられる

あぁ、逃げられない

そう思うも、最初から照は逃がすつもりなんてなかったんだなんて思い知らされる