夢と約束と辰哉 ページ48
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「ごめん、おれと、わかれて…」
ボロボロと涙を流しながらそう告げる辰哉
「ごめん、ごめん、」
なんて何度も何度も小さな声で謝る姿を見て、「あー、遂に、かぁ」なんてぼんやりと考える
「うん、わかった」
そう微笑みながら言うと、さらにボロボロと涙をこぼす
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「ねぇ、辰哉」
「んー?」
「もしさぁ、辰哉の夢のために何かを犠牲にしなきゃいけないってなったら、迷わず私を犠牲にしてね」
「え、まって、なに?どういうこと?」
困惑しながらもへらりと口角を上げる辰哉をじっと見つめる
「辰哉もわかってるでしょ?」
「デビューしたら、私たちこのままじゃだめなんだよ」
そう言うと視線をさまよわせながら
「あー、いや、うん、」
なんて曖昧に返事をする
「お願い、辰哉」
じっと目を見つめてそう言うと意をけしたように見つめ返す
「うん、わかった」
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あの時の約束を思い出す
そっか、デビュー、出来るんだね。やっと、夢叶えれるんだね
そう思うと涙が溢れそうになった
「辰哉、おめでとう」
「ずっと応援してるからね」
そう笑いかけると歯を食いしばりながらも笑顔を作り、
「うん、ありがと」
なんて答える
約束、守ってくれてありがとう
「大好きだよ」、なんて言ったらきっと涙が止まらなくなるから、何も言わずに去る
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隣人(プロフ) - あさん» ありがとうございます!春になったらの設定(?)が出た時に書いたものなので類似してるところは結構あると思います😂 (1月6日 9時) (レス) id: 7c7156921d (このIDを非表示/違反報告)
あ - 友人スピーチと辰哉の話って、春になったらの予告に似てませんか⁉️予告を見た時に運命を感じてここに戻ってきました‼️ (1月5日 21時) (レス) @page40 id: 35f01d12bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:隣人 | 作成日時:2023年12月22日 23時