素のアイドル

幼なじみの翔太くん ページ29

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近所に住む5つ年上の幼なじみ翔太くん

幼い頃からかっこよくてなんだかんだ優しい翔太くんを好きにならないわけがない


｢いつになったら付き合ってくれるのー！？｣

｢こんなに好きなのにー！｣


なんて毎日のように翔太くんに言うけど毎回決まって


｢俺はガキにはキョーミねぇの｣


なんて言われる


｢ガキじゃないもん、もう17だもん｣


｢そういうとこがガキだっつってんの｣


そう言いながら紫煙を吐く翔太くんは大人で、やっぱりかっこいい

本気なのに、なんて少し凹みながら呟く

何回も断られて慣れてはいるけど、やっぱりどこか悲しくなる


｢…A｣


名前を呼ばれて下げていた顔を翔太くんに向けると煙を吹きかけられた


｢わ！もぉ！なに！？｣


噎せながら翔太くんに向かってそう言うと、イタズラっ子のような笑みを浮かべる翔太くん



｢その意味もわかんねぇようなお子ちゃまには、手ぇ出さねぇんだよ｣



そう言ってまた煙草に口をつけた翔太くんに、


｢…私だって、意味くらい知ってるよ｣


って不機嫌さを隠すことなく告げると突然咳き込み始める

その姿が面白くてケラケラ笑うと咳き込みながら涙目で睨まれる


｢え、まじで、？｣


やっと落ち着いた翔太くんが間抜けな顔をしながら聞く


｢まじだよ、知ってるよそれくらい｣


そう言うとさらに目を丸めるが、すぐに眉間に皺を寄せ、おでこに手を当て何かを考えるような仕草をする


｢…じゃあ、もう我慢しなくていいんだな？｣


そう言いながら顔を上げた翔太くんは見たことのない、大人の男性の顔をしていた

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