白銀の姫

三十二話 ページ32

。





女性兵さんはシュカと言うらしい……シュカと話をしていれば、何故かグンテ様の奥様がいらっしゃった………





「お初にお目にかかります。王妃様……私、イ・グンテの妻ユウノと申します。この度ははるばるお越しいただき「ユウノ様……私は肩苦しいのが嫌いなの……公の場じゃないんだから、普段通りで良いですよ？」





なんて言った私が馬鹿だった……
キャピキャピとグンテ様とのお惚気け話やお茶についてや、地の部族がどれだけ素晴らしい場所で、危険な場所か、色んなことを話してくれた……マシンガントークでね。





ユ「そういえば……ハル様は陛下とどこまでお進みになったのですか？やはり……その、陛下は……お優しい？」




「…………え、えぇ………それはそれはもう………や、優しいです……よ？」




ユ「そうなのですね……羨ましいですわ！聞いてくださいよ！グンテ様ったら…………」






恥ずかしそうに、でも嬉しそうに話すユウノ様……そんな彼女を見ていればどこか心がチクチクと痛む……




私は……お姉様を守るために【何でもするから】と言う理由でスウォン様の妻になった……妻になった以上、そういう事もするということで……そこには愛などない……だから、ユウノ様みたいに……乙女のような顔して惚気話をする日など来ないのだろう……





ユ「ハル……様？」



「…………ユウノ様、このお茶……すごく美味しいです……」




ユ「ですよね！！でも、グンテ様ったらこのお茶の良さを分かって下さらないのよ！！」





なんて、楽しそうに話すユウノ様に微笑み話を聞いていた…………

三十三話→←三十一話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す