めんばさん×めんばさん

6.　追記あり ページ36

赤｢ごめんっ‥‥‥‥ごめんなさい、まるっ、おれ、亮のことがずっと好きやねん‥‥‥‥でも、まるのことも、大好きやねんっ‥‥‥‥勝手なことは分かっとる。何でもするから許してくれ‥‥‥‥｣


橙｢うん、知っとったよ。でも、すばるくんのその人を思って歌う声を好きになってしもたから、許すも許さんもないわ。泣かんでも、僕はずっと隣におるよ。すばるの全部が好きって言ったやろ？｣

赤｢まる‥‥‥‥ごめんなさい。ありがとう｣

橙｢うふふ、なぁに泣いとんの｣

‥‥‥‥‥‥‥まる、まる、まる。

ごめんなさい。
おれは、そろそろ、卒業するから

　




  
亮を？
まるを？

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SIDE 黄


‥‥‥‥う、りょう。

夜中、すばるくんが俺を呼んだような気がしてふと目が覚めた。


黄｢すばるくん！！｣

汗をかいた眉間に皺を深く刻んで、胸を大きく上下させて苦しそうに眠るすばるくんの姿を未定思わず揺り起こした。可愛そうだけど、起こして車で病院に連れて行った方が良さそうだから。

赤｢‥‥‥‥ッ、り、りょ‥‥‥‥？だい‥‥じょぶ‥‥‥‥から｣

黄｢あっつ！全然大丈夫ちゃうよ｣

すばるくんの身体は燃えてるみたいに熱くて、ぱちって開けた瞳は潤んでいる上に遠くをぼーっと見ているような虚ろな視線で焦る。

黄｢いま急いで準備してくるからっ！ええと、保険証と‥‥‥‥っ｣

赤｢りょう‥‥‥‥｣

黄｢ん？なに？｣

すばるくんの掠れた小さな声を拾うために耳を近付ける。そしたら、ぐいっと腕を引かれてすばるくんの横に倒れ込んでしまった。

赤｢ここにお‥‥‥‥って。5分。5分、だけでええから｣

しんどそうなすばるくんは心配だけど可愛いお願いに思わず動きを止めた。

黄｢‥‥‥‥うん、分かった｣

そしたら、後ろからギュッて遠慮がちに、でもしっかりと抱き締められた。背中に張り付いた熱がけぶるようで、変な気持ちになる。

急に可愛い弟であるはずのすばるくんが見知らぬ男に見えてちょっと怖くなった。

赤｢‥‥‥‥ごめんな、亮。いま困ってるんやろ？ビビッてるか？亮は怖がりやねんから｣

黄｢なんやねん！すばるくんはいっつもそうやってバカにしてぇ！俺の方が年上やねんぞ｣

赤｢そうやなぁ。亮はおれの兄貴やねんもん。大事な大事なおれの家族やから‥‥‥‥｣

酷く素直なすばるくんがいるもんだから、驚いて振りかえる。

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