Valentine’s rabbit 4 ドヨン ページ8
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今日はバレンタイン。
とうとうこの日が来てしまった。
私は変わらずドヨンを避けたまま。
チョコレートは作らなかった。
なんでだろう、自分でもわかんない。
自分がこんなに独占欲が強いと思ってなくて戸惑った。
私が意地を張ってるだけなのもわかってるし、私が悪いのもわかってる。
今日も教室に入ってもドヨンの顔が見れない。
ドヨンがもうすぐ生徒会の仕事の一つである評議会が近くて忙しいのも知っていた。
でも私は私の態度に何も言ってこないでほっとかれて拗ねてた。
もしかしたら呆れられたかも。
私が始めたことだけど、いつもドヨンに頼りっぱなしの私は自分から歩み寄れなかった。
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今日は火曜日、ドヨンが生徒会がない日だ。
ドヨンが掃除から帰って来る前に教室を出た。
スヨンに「A、ほんとにいいの？」
って引き止められたけど「うん、ありがとう」
だってどうせあげるチョコもないし、合わせる顔もない。
帰りに運悪くLet'sバレンタイン！の現場に遭遇してしまった。
とっさに隠れたけど、ちょっと気になって覗いてみる。
この角度だと男の人の方の顔は見えなくて、
女の子の方の顔は見えた、美人生徒会長さんだった。
噂になるのもなるほど頷ける綺麗さで、スタイルもいい、おまけに聞いた話では性格もいいらしい。
“ほ〜あれじゃ告白断る人いないだろうな〜…
ドヨンも目が肥えて私なんか…愛想尽かされそ…”
自分と嫌でも比べてしまって悲しくなった。
あんな美人さんからチョコを貰える運のいい男の人は誰だろ。
視線を移すと、そこには私の良く知った後ろ姿。
私の大好きな人。
ドヨンがいた。
咄嗟に口を両手で抑える。
ああ、終わりかな。
そう思った。
見てられなくて音を立てないようにそっと立ち去った。
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なんだか家に帰りたくなくて帰り道の公園のブランコに座る。
夕日に照らされた誰もいない公園。
ずっと我慢してた涙が溢れて来た。
私こんなにドヨンが好きだったんだ
さよならなんて、やだ
チョコ、作れば良かったかな、
私が生徒会長さんより先に渡して、謝ってたら…
私はいつもドヨンの優しさに甘えて、何も返してあげられなかった。
もっと一緒にいられる時間を大切にすれば良かった素直になれば良かった。
にじんだ視界、胸が苦しい。
後悔が次から次へと止まらない。
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作者名：toto | 作成日時：2017年1月30日 2時
