水溜りでボンドな日常3 (ページ14)

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つまみ食いページ14

Aside

この世はつまみ食い被害が深刻である。

『ねぇ！私のチョコがない！…カンタぁ？』

カ「ごめんなさいごめんなさい笑睨まれるの怖いよ？笑」

『あれ？ここに置いてあったコーヒー…』

ト「あ、ごめん飲んだ。」

『もー！トミー！』

楽しみにとっておいたお菓子が度々消えるのでその度に私の叫び声が水溜りハウスに響く。

彼らの食の趣味は知っているから、犯人はすぐ見つかるのだが、強敵は…

『トミー？それは誰のアイスかなぁ？』

ト「ん、お前の？ごめん食べちゃった。」

水溜りハウスに君臨する最大の砦、魔王。
私のお菓子も何度こいつに殺られたか…

『そういうことじゃないー！誰のか確認してから食べなさいっていつも言ってるでしょー？』

ト「なんかAお母さんみたいだな笑」

『…怒るよ。』
ほっぺを膨らましてわざと怒ったような顔をすると

ト「うわ！ほっぺぷにっぷに。触らせて。」

『ひょ、ひょら！ひゃめろ！』
そのままソファーに引っ張られてほっぺを両手でつままれてむにむにされる始末。

ト「イヒヒｯ笑何で出来てんだよ笑」

『…もうトミー嫌いになった。』

つままれたほっぺをさすりながら、思いっきり目を細めて睨んでやる。

ト「嫌いになったの？笑こっちおいで？笑」

『行かない。』
ソファーに座って、手を広げておいでおいでするけどその手には乗らないし。

ト「なんで？」
『嫌いだから。』

ト「嘘下手かよ。顔に出まくり笑ほいっ」
『わわっ、』

ト「これで仲直り、な？笑」

ハグをするのは、私たちが大学生だった頃、いつの間にか出来ていた仲直りする時のルール。
暖かく包まれるとつい、いいよなんて言ってしまいそうになる。

『しない！今日という今日は許しません！』
大きな腕からするっと抜けて逃げ出す。

ト「おい、」

『反省しなさい！』
捨て台詞を残して、自分の部屋に逃げ込んだ。

。
。

。

『言い過ぎたぁー…。』

あれから数十分後、トミーは会議に行ってしまって私は強い後悔に苛まれていた。

さっきまでトミーが座っていたソファーに頭をぐりぐりしている私を見て、

カ「何してんの？面白いけど笑」

『トミーと喧嘩した。』

カ「そんな事言っていつもすぐ仲直りするじゃん。」

『でも、もう喋ってくんないかも…こんなマネージャーいらねぇ！ってクビにされたら…、』

カ「後であいつからも同じ話を聞かされんだろうなぁ笑」