プロローグ ページ2
＿5年前
カ 「ねぇねぇ、ちょっと提案。」
スマホをいじっていたカンタが、ふと顔を上げた。
いつも通りお笑いライブに向けてネタの練習中。
ト 「何？」
カ 「俺最近これ見てるんだけどさ、」
そう言って見せてきたのは茶色いアプリ。
ト 「ゆーちゅーぶ、？なんだそれ。」
『あー、聞いた事ある。』
カ 「なんか動画配信アプリみたいな。
音楽とか映画とか、人が撮った色んな動画見れんの。」
『へ〜面白そう。』
ト 「ふぅん。」
機械音痴のトミーは、もう興味をなくした様子。
カ 「それで、さっき思いついたんだけど俺達も動画撮ってみん？笑」
ト 「えぇ笑やだよ、やり方分かんねーし。」
そう言って、ごろんと床に寝転がる。
『動画ってどんな感じのなの？』
カ 「音楽出してる人とか、自分たちでこんなのやってみました！みたいなおもしろ動画とか。
俺が言ってるのはおもしろの方ね。」
『なんか楽しそうだね。』
私も機械強い訳では無いので、カンタの話を聞いてもよく分からないけど、何やら楽しそうな雰囲気はつたわる。
カ 「でしょ？まぁ、するとしても機材揃えなきゃだし、今は忙しいから無理だね。
アカウント名で宣伝しとこっ。」
そう言いながら、カンタはアカウント名を水溜りボンドに。
ト 「ねぇ早く練習続きしよ。」
『うん、じゃあ休憩終わり！』
。
。
この何気ない会話からまさか彼らがYouTuberになるとは、この時思いもしていなかった。
しかし1年後には、
ト 「はいどーもー、水溜りボンドです。お願いします。ねっ毎日動画頑張っていきましょ！
トミーです！」
カ 「カンタです。」
「「よろしくお願いします！」」
始める前こそ、マネージャーとしての不安もあり、反対していた私だったが、
ト 「わざわざ会場に足運んで席とって…ってよりも絶対こっちの方が可能性広がる。」
カ 「youtube用に100万円のMacBook買った。
A、マネージャー引き受けてくれるよね？笑」
『…負けました。』
やりたいと思ったことはやり抜く2人に、適うはずもなく、こうして私はYouTuber兼お笑いコンビのマネージャーになった。
。
。
。
『懐かしいなぁ…。』
動画を流していたノートPCをパタン、と閉じる。
カ 「ん？なんて？」
『ううん、なんでもない笑
それよりカンタ、あと5分で着くから降りる用意しててね。トミーも。』
ト 「ほーい。」
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作者名：まろんぱん��2 | 作成日時：2019年8月24日 0時
