近所のお兄さんが、苺の王子になってたんですけど。【stxxx/桃】

あああああ！ ページ10

ころんさんが電話を終えて数分後。

3人の人がこっちへ向かってきた。

単刀直入に言おう、さとみお兄ちゃんと莉犬、るぅとだ。

こ「あー、るぅとくん！って、さとみくんに莉犬くん！？」

ころんさんの言葉を無視、るぅとは彼に忘れ物をポイッと投げる。

そして彼らが食いついたのは…私。

る・莉「Aっ！」

『二人、とも』

______当然だよね。

だって学生時代の友達だもん。

『莉犬、るぅと。久しぶり』

こ「えっ？えっ？」

さ「......やっぱりな」

久しぶりの再会だ。

『3人とも、まずは座ろう？』

さ・る・莉「うん....」

こ「え、どゆこと？？」

......ころんさんが混乱してるから、説明したほうが良さそう。

『あのねころんさん、るぅとは中学生のときの、莉犬は高校生のときの友達なの。』

こ「え！？」

莉「へぇ、るぅとくんもAと知り合いだったんだぁ」

る「莉犬こそ」

『ふふっ』

二人と会えて、嬉しいのは嘘じゃない。

でも。

さ「..........。」

さとみお兄ちゃん、なんだか暗い。

こんな顔、りすなーさんには見せないだろうな。

弱音を吐かず、綺麗なとこだけを見せていくって、大変だよね。

だからこそ、芸能人やユーチューバーは輝いて見えるのだけど......。

さとみお兄ちゃんには、笑ってて欲しい。

…あーあ、駄目だ。

やっぱり私、さとみお兄ちゃんのこと好きなんだ。

この気持ちを原稿にぶつけたい..…って。

あああああ！！

小説の原稿、忘れてたあああ！

締め切り近いのに！！！

幸い、データは持ってきている。

パソコンお兄ちゃんに借りて書こう！！

『さとみお兄ちゃん、私小説書かないと！！家に帰ってパソコン貸してぇえ！』

さ「えっ.....？」

こ「どーしたの？」

『ころんさん、るぅと、莉犬。私の仕事、小説家なの！なのに原稿書いてなくて！帰らなきゃ！！』

あぁっ、私としたことがぁぁ！！

さ「…ってな訳で、俺ら帰る。悪い。」

莉「ちょっと待って！俺も行きたい、さとみくん家！！」

る「あっ、僕も！」

こ「だったら僕も行くー。ジェルくんとなーくん呼んで、ライブの打ち上げしよーよ！」

さ「えっ、でも.....」

お兄ちゃんは私を見る。

『大丈夫、心配しないで！私、うるさくても書けるから！』

さ「......ごめんな？」

『ううんっ、いいよ！』

それより小説！！ヤバイ！

_______原稿でいっぱいいっぱいの私は、思いもしなかった。

この「さとみお兄ちゃんの家に、すとぷり全員集合」が、恋の糸を絡ませるなんて。

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