近所のお兄さんが、苺の王子になってたんですけど。【stxxx/桃】

怒り ページ23

さとみside



莉犬ところんが家に来たのは、Aが小説の打ち合わせで出掛けていたときだった。

何故か不機嫌そうな顔で、2人は訪ねて来た。

さ「き、急になんだよ........」

莉「なんだよじゃない！俺らは話があるの！さとみくんに！」

こ「心あたりないの！？」

さ「..............。」

ある。

ありまくり。

さ「..........ある」

きっとAとのことだ。

確かに最近俺とAは、すれ違い気味。

でも決して別れたわけじゃないし、Aのことを嫌ってるわけじゃない。

こ「.....あんなんじゃあ、駄目だよ。るぅとくん絡みなんでしょ？あの様子だと」

さ「......うん」

やっぱりこいつらは、鋭い。

莉「あのねぇ、さとみくん。俺、怒ってるんだよ！」

さ「え？」

莉「だって、親友を傷つけられたんだもん！！」

さ「..ご、ごめん......」

莉「俺はいいけどさー、A と仲直り、してよね！」

さ「で、でも........」

うつむく俺に、今度はころんが言った。

こ「正直、今のさとみくんは嫌。くずくずしてて、なんかAちゃんを守れなさそう」

莉「そーそ！るぅとくんの方がすごいよ！だって、彼氏いるって知ってて、告白したんだから......。それって凄く勇気がいるし、そのくらい好きってことでしょう？」

さ「........！」

そうだよ。

るぅとは、すごい。

勇気がある。

さ「俺なんかより、るぅとといた方が、Aは幸せになれるんじゃないかな........」

無意識に、そう言ってしまった。

莉「.....でも、誰と幸せになるかなんて、Aが決めることだよ？」

こ「相手の幸せを願うのが正しいかもだけど、自分の幸せをあきらめて、どうするの？」

さ「.........。」

莉犬ところんは、怒りながらも俺を助けようとしてくれてるんだ。

さ「ありがとう、莉犬、ころん。」

莉・こ「.........！」

このままじゃ、駄目だ。

ちゃんと、進まなきゃ。

こ「よかったぁ。頑張ってよ！？」

莉「Aと仲直りしてよー？」

さ「ああ、わかったわかった。....本当にありがと、な」

勇気をだして、Aと向き合いたい。

Aが、好きだから。

電話→←救世主

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す