81.不器用 sideA ページ7
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翔「…邪魔？」
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眉間に寄せられたシワ。怪訝そうに俺を見るその目は、きっと俺の意図を探ってる。
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雅紀「知ってんでしょ？」
翔「…、なにが」
雅紀「俺がAさんのこと好きって」
翔「………。まあ」
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翔ちゃんはそうやって、全然なんとも思っていないような、余裕そうな、そんな素振りしてるけど。
自分とAさんは親同士が決めた婚約だからと、その建前の上に胡坐を掻いてるでしょ。
わかってる？
Aさんが強く拒否すれば、そんな建前一瞬で打ち消されるんだって。
もちろん、翔ちゃんがいつまでもそんな調子じゃ、この先どうなるかなんて見え透いてる。
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雅紀「Aさんの意見を通せるくらいには、俺ん家も実権あると思うんだけどなぁ…」
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翔ちゃんとは、仲良くしたいよ。
大好きだし。
でも
なんていうかさ、それとこれとは別な気がしない？
もっとも、俺はこんな言い方は好きじゃないけれど。
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翔「…そうか。相葉家…の長男か」
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“そういえばそうだった”と彼はつぶやいた。
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挑発してるつもりはないんだけど。
そう捉えられても仕方ない気がする。
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翔「………勝手にすれば」
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腕を組んで、視線を逸らしたままそう言った翔ちゃんが、席を立とうとした。
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雅紀「ねえそれって…Aさんの気持ち、俺のほうへ向かせちゃってもいいってことだよね」
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翔「………」
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翔ちゃんは不器用だね。
すぐ顔に出る。
今、焦ってるの？怒ってるの？
何に対して？自分？それとも俺？
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翔「…勝手にしろって言っただろ」
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ねえ、俺は
翔ちゃんとは、仲良くしたいよ。
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作成日時：2014年3月16日 18時
