婚約者9 ページ9
『悟、くん…』
ぼうぜんとしつつつぶやくと、悟くんはズンズンとちかづいて、禪院さまのてをつかむ。
「なんや悟くん。お怒りなんか?随分ご執心みたいやなぁ…このガキに…っ!?」
「は?黙れよお前。こいつに触ってんじゃねぇ。失せろ」
ギリギリミシミシとなにかがきしむようなおとがする。
悟くん、禪院さまになにするつもりなの…?
禪院さまのこうそくからのがれた私は、そうしばしぼうぜんとかんがえたあと、ハッとしてせんせいにかけよった。
みみをちかづければ、スースーとこきゅうおんがきこえた。
いきがある。いきてる…っ。
それにホッとしていると、うしろからドンっとおおきなおとがした。おどろいてふりむくと、禪院さまがじめんにくずれおちている。
それにうでが、まがってる。
「っ…悟くん、なにしてくれてんや。腕折れたやないか…っ!」
「お前が弱いからだろ。俺はただお前の腕に触れただけだ。雑魚なのにイキんのがわりぃんだよ」
「っ…!!」
_私はただそのこうけいをせいかんすることしかできなかった。
禪院さまをれいこくに、なによりあっとうてきにみおろす悟くんに、めをうばわれて。
「つーかお前何の用だよ。勝手に忍び込んだのか?」
「…っ」
「答えろよ」
グイッとかみのけをひっぱられた禪院さまは、ただ悟くんをにらむだけでだまっている。そのひとみには、いかりとぞうおがやどっていた。
悟くんにむかっていたそのひとみは、やがてこちらをむき__
「__君のせいや…」
『ぇ…』
「君がここにいたんが悪いんや!忌々しい呪いの分際で悟くんの婚約者なってんのがわる_」
「もういい。黙れよ」
ことばをさえぎった悟くんが禪院さまのひたいにてをあてると、彼はコンセントがぬけたでんきせいひんのように、パタリときぜつした。
そのあっけなさにいきをのんでいると、悟くんがなにかにきがついてひろう。それは、私がみせようとおもっていたあじさいのおしばなだった。
「これ…」
『っそれは、その、きょう悟くんに、みせようとおもってたの』
おもわずことばがつぼまる。
なぜなら、あじさいのおしばなはふまれたことによってぐしゃぐしゃになってしまっていたからだ。
きれいにできたのに…
しゅんとしていると悟くんは私のかおをのぞいてニカッとわらった。
「よくできてんじゃねーか!」
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AО777 - コメントありがとうございます!『五条悟の幼妻は離婚したい』と設定は似ているのですが、当作品はほのぼのあまーい感じを目標に書いているのでそう言っていただけて嬉しい限りです…!どうぞ当作品も宜しくお願い致しますっ…! (2月9日 6時) (レス) id: e34a889bc1 (このIDを非表示/違反報告)
しろりん(プロフ) - 夢主ちゃんと五条くん…可愛いカップル♡『五条悟の幼妻は離婚したい』とは…また違ったカンジで、すごくいいです!続きを楽しみに、お待ちしております!(⑉ᐢᵕᐢ⑉) (2月8日 20時) (レス) @page11 id: 2a6843f9ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:AO777 | 作成日時:2024年2月3日 15時