婚約者8 ページ8
「申し訳ございませんっ、申し訳ございません…っ!」
禪院さまをはじめてみたのは、おとうさまのおしごとのつきそいで禪院家にいったとき。
かえりぎわ、すこしばかりあいていたすきまから、なぶられるおんなの人をみた。
「やめっ…!」
「やめろゆうたってやめるわけないやろ?そもそも女の分際で口出ししたんが悪いんや。馬鹿やなぁ」
ケラケラケラケラ。
あくまのわらいごえをだしておんなの人をきずつけるそのきんぱつのおとこに、私はただいきをのむことしかできなかった。おとうさまにこえをかけられるまで、うごくことすらできなかった。
_こわい
そんなかんじょうだけが、私をとりまいていた。
おとうさまがちゅうさいにはいってくれて、おんなの人はそれいじょうなぶられずにすんだけど、もしたすけてあげられなかったら、あのおんなの人は、どうなっていたのだろう。
そんなことをかんがえて、ふるえあがったのをおぼえている。
『ぁ…』
彼とたいめんしたいま、そんなかんかくがさいらいした。
“きんき”、そして“のろい”。この言葉がはんすうして、うまくくちをうごかせない。しぜんなえみをよそおうのは、とくいなのに。
きょうふでポロリとなみだがこぼれる。
「なんや、泣くんか。女はいっつもそうや。泣けば全て解決すると思っとる」
さげすんだめをむけられ、私はビクリとかたをふるわせる。
なにもいえないでいると、そばにいたせんせいが私と禪院さまのあいだにはいってうったえた。
「っ、どうかおやめください禪院様!この方は__っ!」
「なに命令なくしゃべってるんや。使用人ごときが、邪魔や」
そのとき、パンッとせんせいがおもいっきりぶたれる。せんせいはうたれたほほをおさえ__ちからなくたおれた。ピクリともうごかない。
『……先生…?』
嫌なかんじがして、せんせいにかけよる。
しかし禪院さまにうでをつかまれ、みうごきがとれなくなった。
「なに助けに行こうとしてるんや」
『っはなしてください!…はなしてっ!』
「舐めた口きかんほうがええで?それに放してやらんし、そもそも君は殺してまうやろ?なんたって君は__」
「おい」
そのとき、きいたことのあるこえがろうかにひびいた。
こえのするほうにいたのは、悟くん。
悟くんのすがたをみたとたん、あんどにつつまれて、ポロリとなみだがこぼれた。
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AО777 - コメントありがとうございます!『五条悟の幼妻は離婚したい』と設定は似ているのですが、当作品はほのぼのあまーい感じを目標に書いているのでそう言っていただけて嬉しい限りです…!どうぞ当作品も宜しくお願い致しますっ…! (2月9日 6時) (レス) id: e34a889bc1 (このIDを非表示/違反報告)
しろりん(プロフ) - 夢主ちゃんと五条くん…可愛いカップル♡『五条悟の幼妻は離婚したい』とは…また違ったカンジで、すごくいいです!続きを楽しみに、お待ちしております!(⑉ᐢᵕᐢ⑉) (2月8日 20時) (レス) @page11 id: 2a6843f9ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:AO777 | 作成日時:2024年2月3日 15時