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「ねぇAさん？」
振り返りながらにこやかに話しかけてくる彼に、つい怪訝な顔を返してしまう。
私の顔を見て、彼も同じように眉根を寄せる。
「…ああ、やっぱり分からない？」
「…何をでしょう？」
寂しそうな顔。
大きくて気の強そうな瞳はよく見ると少し茶色い。
「俺、法務部の松本です」
「あ！同じ会社の方だったんですか」
参ったな、とつぶやいて
居心地悪そうに腕の上着を持ち直してる。
シャツの下で動く筋肉と
がっかりしているような様子がアンバランス。
「同じ会社だし、Aさんの後輩でもあります」
「そうなの？！話したことある？」
「大学の国際法の講義で何度か」
「わー、そうだったんだぁ」
「話しかけるまでが難しいのかなって思ってたんです」
「ん？」
「でもまさか忘れられてるなんて」
「あ、ごめんなさい…」
「いや違うな。忘れるも何も、俺のことそもそも覚えてないっつーか認識してなかったでしょ？」
地上に出ると一気に日差しが眩しい。
よく知っているわけではないけれど、
なんだか彼に似合ってる。
初夏の朝特有の、刺すような太陽とシンと冷えた空気。
細い地下鉄の階段から吐き出された私たちは
ようやく並んで歩くことができる。
松本さんの歩幅は大きくて、少し早足でついて行く。
斜め後ろから見るオールバックはサイドが刈り込まれていて
短い髪まで手入れが行き届いてる。
半歩ほどどうしても遅れる私を流し目で見て
松本さんは片頬で笑った。
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奈緒(プロフ) - あゆさん» いえいえ、正しくはあゆさんのご指摘通りです。気にしてくださってありがとうございました。 (2015年8月27日 9時) (
レス) id: 5db05a964a (このIDを非表示/違反報告)
あゆ(プロフ) - それはそれは、とんだ勘違いを申し訳御座いませんでした…>_<… (2015年8月25日 23時) (レス) id: b95a986577 (このIDを非表示/違反報告)
奈緒(プロフ) - あゆさん» はじめまして。口ずさんでいる風にしたかったので敢えて音を優先して文字にしております。有名な曲ですし、そのあと邦題が出てくるので意味は通じるだろうという考えです。 (2015年8月24日 7時) (レス) id: 5db05a964a (このIDを非表示/違反報告)
あゆ(プロフ) - キャン、ハリーラブではなく、キャント、ハリーラブですよ (2015年8月23日 14時) (レス) id: d7d3f8a892 (このIDを非表示/違反報告)
奈緒(プロフ) - こよりさん» こんばんは。恋に落ちるときって年齢は関係ないのに、寄り添い続ける上では障害になり得ますよね…。でもデキル後輩王子は壁を乗り越えてくれるだろうと思っております。応援ありがとうございます！ (2015年7月31日 0時) (レス) id: 5db05a964a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：奈緒
| 作成日時：2015年7月30日 1時
