礼子様と花田色の君 (ページ7)

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７　パーティーⅢ ページ7

「それでは皆さん。本日のお待ちかねの演奏会をスタートしたいと思います。」
司会が高らかに宣言すると、会場内からは拍手が起こった。
「では、奏者の紹介をさせていただきたいと思います。
トップバッターは、桜ノ宮総合病院院長桜ノ宮祥太郎様のお孫様、桜ノ宮礼子様です。」
ついに、来た。
舞台袖からステージへまっすぐ、堂々と歩く。
ステージ上で自分に向けられるスポットライトに思わず目を細める。
ふと観客席を見ると、右手前方におじい様がいた。目が合うとゆっくりとうなずく。
大丈夫、大丈夫。と心の中で唱えながら、椅子に座った。

ふう。とため息を一つついてから、琴を弾きだす。

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