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2 「強く、優しく、美しく」 ページ2

申し遅れました。
私の名前は、桜ノ宮礼子。小学校6年生。
家はこの地域全域の総合医療を担う桜ノ宮総合病院の経営者一族。
亡き曽祖父が開業。祖父が院長。父が外科部長だ。もう引退したが祖母も母もそれぞれ優秀な医師だった。そして私はこの家の長女。
すなわち、跡取り娘ってこと。
そのため、小さい時からたくさんのことを経験させられ、英才教育を受けてきた。
生まれたら右脳発育教室に通わされ、物心ついたときには琴、ヴァイオリン、フルートなど音楽系をはじめ、水泳、バスケットボール、陸上。さらには護身目的で合気道、空手、柔道、剣道・・・
などなど・・・。数え始めたらきりがない。
我が身ながら良くもったものだ。

もちろん勉強だってできる。
1年生の時から学年トップ、さらには市内、県内でもトップから落ちたことは一度たりとも無い。
全国テストではトップ5に入り続けている。
これ以上いうと自慢になるのでやめておこう。


そして、先ほどの老紳士が病院の院長にして、この家の当主であり、さらには私の祖父でもある桜ノ宮祥太郎だ。
気難しい、頑固親父、とっつきにくいと何ともまああまり、いいイメージのない祖父なのだが、
本当はこの家の誰よりもこの家と病院のことを想っていることを私は知っている。
そして祖父は礼儀には人一倍厳しい人だ。
その証拠に私を含む孫の名前のすべてに「礼」という文字が入っている。
上から「礼子(私ね)」「礼央(弟)」「礼華(妹)」「礼奈(妹)」という感じ。
また、日々の生活の中で姿勢、返事、あいさつ、言葉遣いなどにも気を付けるべきことはたくさんある。
いちいち気が抜けないのだ。
さらには、家訓までつくってしまった。
「強く、優しく、美しく」だ。そして私はこの言葉が大好きだ。
きちんと自立している感じが、自分に自信を持たせてくれる。
祖父もそれを私たちに伝えたくて家訓にしたのだと思う。

何かというと「この家に恥じぬ行動をしろ!」と怒鳴られる。
けれど、すべてはこの家と病院を守るため。
だからこそ跡取り娘の私にはひときわ厳しく、さっきのように微笑むことなど滅多になく、私自身もそんな生活に慣れてしまった。

この生活に苦しさや虚しさを感じていないといえばウソになる。
でも。
でも、私はそれでいい。

3 我が家の日常→←1 私、爆発しました。ハイ。



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設定タグ:桜ノ宮礼子 , お嬢様 , 夢小説 , オリジナル作品
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みゆ - いいと思います。更新頑張ってください!応援してます。 (2018年3月29日 20時) (レス) id: 4fe0775fcc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:藤峰莉咲 | 作成日時:2018年3月29日 18時

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