教えてよ、俺に。【としみつ】 (ページ9)

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09.立ち位置の問題。ページ9

そんなことからとしみつが私の彼氏になった。

りょうくんには感謝してる。
もちろん虫さんにも。

てつやに報告した時は
「まじかよー。俺のAがー。」なんてリアクションしていたけれど、それも優しさだって気づいている。

メンバーは優しく受け止めてくれた。

今まで通り、撮影をして、今まで通り、顔は出さないが動画に出たりなんかしていた。

変わったのは、私ととしみつが恋人同士ってこと。

リスナーさんにはまだ報告するのをやめた。
ただ、距離が近い！や幼馴染なのにラブラブすぎ！なんてたまにコメントに来ていた。

そんなにラブラブしていないのも事実なんだけど。

て「俺ちょっと実家に撮影で使うもの取りに行ってくるわ～」

し「一人で行ける？」

て「あ、ついてきてー」

虫さんとりょうくんはじゃんけんで負けて昼食買い出し組。

ゆめまるは予約していたCDを取りに。

てつやとしばゆーは実家に。

そう。たまにある2人だけの時間。

と「ラッキー。Aおいで。」

としみつがそう言うと、私は迷いなく飛び込む。

「さっきの撮影のしばゆー面白かったね！」

「昨日りょうくんがさぁ」

「これ、てつやも持ってたよー！」

私はついメンバーの話ばかりしてしまうクセがある。

と「A、2人の時は他のメンバーの話ばっかりするのは禁止。」

そんなんでちょっと拗ねるとしみつが可愛かったりする。

「ごめんね。怒った？」

ソファの上で彼にもたれかかりながら聞く。

と「怒った」

「あーごめんー！ゆるしてー！」

そうやって子どものように駄々をこねると、フフッと笑って、私に軽くキスをした。

と「照れてるし」

「照れてないもん」

としみつside

そんな俺らは、付き合って1ヶ月、キス以上のものをしていない。

大切に思えば思うほど、難しかったりする。

そんなムードにもならないのが少し残念。

俺、ムード作りとか下手なんだよなぁ。

と「A？」

ほら、また今日もせっかく2人きりになったのに、Aは俺の肩に寄りかかりながら眠ってしまった。

そんな寝顔も可愛いんだけれど。

虫「たっだいまー」

り「あれ？ラブラブタイム、邪魔した？」

と「おかえり。」

そう言うと俺は静かにAをソファにおろし、布団をかけた。