教えてよ、俺に。【としみつ】 (ページ8)

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08.告白の仕方。ページ8

りょうくんととしみつがご飯に行ったのは知っていた。

何話してるんだろ。

気になるけど、聞けない。

何をしててもモヤモヤする。

部屋の片付けでもする？

めんどくさい。

「はぁ…」

ため息だけが出る。

そんな私に気づいたかのように、電話がなった。

【としみつ】

ディスプレイに映し出された文字は、今一番会いたくなくて、それでも…今一番声の聞きたかった人だった。

「なに？」

と「今なんしてる？」

「何もしてないよ」

と「ちょっと出てこれん？」

「え？どこ？」

と「家の前。もういる。」

「強制じゃん。今行く。」

ちょっとばかし着替えをして、ちょっとばかしメイクをした。

と「おぅ」

「お疲れ。どうしたの？」

と「とりあえず、乗って」

「うん」

車に乗り込むと、しばらく沈黙が続いた。

いつも2人で行っていた公園に降りて、久しぶりに2人でブランコに乗った。

「なんかあったんじゃないの？」

と「うん。」

またそう言って、沈黙。

「うん。」

お互い、何か伝えたい事はあるんだ。

でも、それが言えないのが、幼馴染の悪いところかもしれない。
大事な話をするのは、少し苦手なんだ。

と「あのさぁ…」

「うん」

と「お前、俺の事、好き？」

「…」

あの日以来、余計にとしみつの存在の大切さを感じた。

と「俺が先に言った方がいいよね」

「好きだよ」

と「うん。それは…」

「恋愛感情だよ。」

と「…先に言わせてごめんな」

「でも、それでとしみつとの関係が変わってしまうなら、私は恋愛感情なんて捨てるから。だから…」

と「A。」

「忘れて…」

また私は涙を流す。堪えてたのに。悔しい。

と「A」

「…なんか言ってよ」

と「俺の話、聞いて？」

「うん」

と「俺さぁ、Aの事、大切だし、大好きだよ。俺も考えたんだ。Aが大切なのって、幼馴染だからなのか？って。そしたらAが他の人と結婚して、母親になって、おばあちゃんになってって考えたらさ…なんか無理だった」

「うん」

と「それは俺がいいって思った。俺は今までお前がそばにいることに甘えてたんだと思う。」

「そんなことないよ」

と「ずっと俺の側にいて欲しい。A、俺と付き合ってください。」

「はい…よろしくお願いします。」

私がそういうと、としみつは優しく私を抱きしめた。