当たり前からの第一歩。【としみつ】

○徐々に徐々に ページ8

「もしもし？」
「今大丈夫ー？」

電話の相手は としみつくん！
なはずもなく、ゆかり。

「大丈夫だよ？」
ゆ「仕事終わった？なにしてた？」
「終わったよ！特になーんにも！これから帰ってご飯食べよーって感じ！」
ゆ「お！ちょうどいい！今日雅人いないから、ご飯食べに来ない？としみつくんとの話も聞きたいし！」
「本当ー？行く！」

ゆかりの家に着くと、ゆかりの手料理がたくさん出来上がっていた。

ゆ「雅人、さっき電話して来てさ。(ごめん！職場の上司に誘われた！)とか言って、ご飯作ってからいうなよ！って感じでしょ。」
「でもそのおかげで、私がこんなにおいしい料理にありつける！」
ゆ「喜んでくれて何より！で？どうなってるの？」
「あ、今週の金曜日、ご飯行くことになった！２人で！いただきまーす！」
ゆ「なんか、余裕そうだね！」
「いや、全然それがね、緊張してるー！」
ゆ「そうは見えないけどね。」

「とりあえずさ、当たって砕けろ！って思ってる。」
ゆ「砕けないで、成就させよう！」
「本当のところは、それが願い。」
ゆ「でも、恋愛いいなー。そういうドキドキとか、キュンキュン、ほしい！」
「それさ、彼氏いる人みんな言うけど、私からしたら、いやいや！わたしはそっちのが羨ましいよー！と言いたい。」
ゆ「お互い無い物ねだりだ。」
「それだ」



＿＿＿＿＿＿＿＿＿



決戦の金曜日！

ピロンッ♪
【今日19時ごろ迎え行くね！】

としみつくんからのLINEに不意に溢れる笑み。
なんか彼氏みたい！

いやいやいや！気が早い！

【ありがとう(^_^)待ってるね！】
本当はハート！ハート！ハート！
なんて使いたいのを抑えて、平常心。


としみつくんに会ったら、
第一声なんて言おう？

この服でいいかな？

これ、前も着たっけ？

毛玉ついてる！やばい！替えよう！


恋はこんなもん。
恋は私をおかしくする。
恋は私を一生懸命にする。


【着いたよ！】5分前に来たとしみつくん。
動画では遅刻キャラなのに、珍しい。


よし！
心の中で自分と戦う。


「ありがとう！久しぶりだね！」
と「おぅ！久しぶり！」
「今日は寒いね！」
と「そうだね！」

そんな会話の中で、助手席に乗り込む。

運転するとしみつくんはいつもより
何倍も何十倍も何百倍もカッコよく見える。

「今日は撮影は？」
と「さっきまで撮影してた。解散してそのまま来た！」
「忙しいんだね！」
と「お互い様だよ。」

この人が私の彼氏だったらな。
そんなことを思った。

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