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23.歓喜 ページ23

雪は降らなくなったものの、コートが手放せない寒さの続く頃

友人や親と一緒に張り出された合格者の受験番号を見ては泣き声や叫び声が聞こえる

しかし

鬼灯(…あ…あった)

初めての受験に合格したわりには鬼灯の反応は意外とあっさりとしたものだった

鬼灯(一番最初に報告したいのはAさんですが、順番的に一番最初に会うのは牛頭さんと馬頭さんですね)

そんな事を考えながら鬼灯は門の扉を開けた

するとわずかにタイミングがずれながらも、パンッとクラッカーが鳴る音が何発もした

シロ「ハッピーバースデー」

桃太郎「違うわっ!!?」

ルチル「さすがシロさん。期待を裏切りませんね。でも今日祝いたいのはそれじゃないんです。
鬼灯様、合格」

『おめでとうございます』

鬼灯の事なのに、みんなはまるで自分の事のように喜んでくれていた

鬼灯「ありがとうございます。でも、なんでここに皆さんがいるんですか?」

お香「こっそり覗き見してたんですけど、鬼灯様のリアクションがあまりにも薄いから」

閻魔「受験勉強のストレスで喜ぶと言う感情が欠如したんじゃないかって話になってね」

ルチル「鬼灯様頭大丈夫ですか?」

鬼灯「少なくともシロさんよりは大丈夫ですよ」

ルチル「シロさん以下だったら人として終わってますよ」

シロ「ひ…酷すぎる」

落ち込むシロを鬼灯は抱き上げてモフモフする

鬼灯「そんなシロさんに私は今日も癒されたんですけどね」

シロ「俺って必要?」

鬼灯「必要不可欠な存在ですよ」

シロ「よかった」

シロは鬼灯の腕の中でホッと胸をなでおろす

ルチル「不要な人なんていませんし、無関係な人もいませんよ。
みんな家族同然、喜怒哀楽は共有していきたいんです。ね?鬼灯様」

鬼灯「(だからわざわざこんなことを?)そう…ですね」

閻魔「お祝いに飲みに行こうか?」

唐瓜「まだ午前中ですよ?それはさすがに鬼灯様も許してもらえませんよ」

鬼灯「じゃぁ閻魔大王の奢りで」

唐瓜「えっ!?いいんですか?」

閻魔「って言うかワシの奢りなの?」

ルチル「閻魔大王が嫌がるなら私が代わりに奢りますよ?」

閻魔「そんな事言われたらワシがケチみたいじゃない!?いいよ!もうワシが奢るから!!」

シロ「あれ?鬼灯様?どうしたの?」

お祝いについて盛り上がっていたため、この時鬼灯が笑ったのをシロ以外は見逃していた

鬼灯「つくづく…私は幸せだと思っただけですよ」
2014.11.25

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作者名:辰巳 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/toshi6411/  
作成日時:2014年10月20日 19時

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