20.子供心 ページ20
小学校に遊びに行って以降ルチルに元気がなく、座敷童子は罪悪感を抱いていた
鬼灯「さすが元中国妖怪の長。幽霊は見えなくても妖怪は見えたんですね」
ルチル「励ましにも何にもなりませんよ。あぁ〜…早く妖怪になりた〜い」
鬼灯「ベム、ベラ、ベロは人間になりたがったんですよ?そんな事言ったら失礼です」
ルチル「人でも妖怪でもないものねだりはするものなんですね。そうですね。よくわかります」
鬼灯「いつまで捻くれてるんですか?」
一子「ルチル様?」
二子「元気出して?」
ルチル「2人に気を遣わせてしまって申し訳ないです」
鬼灯「私も気を使ってるんですけど?」
ルチル「2人を羨ましいとは思いましたが、一番悪いのは中途半端に期待をさせた白澤様です。
だから私は大丈夫ですよ」
鬼灯「…ちょっと」
一子「本当に?」
ルチル「はい。心配かけてごめんなさい」
二子「ルチルさんが元気なら良かった」
鬼灯「…誰かルチルさんに完全無視されて可哀想な私を慰めてくれませんか?」
鬼灯が柄にも無い事を口走ったもんだから、ルチル、一子、二子は返す言葉に困り、白い目で見つめる事しか出来なかった
一方、中途半端に能力の残ってしまった白澤なりにも悩みはあった
不気味な姿の妖怪は小さい頃から見えていた
人だと思って話しかければ皆には見えてなくて気味悪がられた
そしてなぜかおでこを触られるのが嫌だった
だから帽子を被るのが嫌で、帽子はゴムを首に引っかけて背中に垂らしていた
そうやってやり過ごしていたが、小学校に入って逃れられない試練が舞い降りた
運動会
紅白の2組では人数が多すぎるため、青・赤・白・黒・黄の5組に分けられる
そして、その色分けは鉢巻きでされていた
「おい白澤!!ちゃんと鉢巻きつけろよ」
「お前のせいで俺らの組が減点になるだろ?」
運動会の事前練習での身だしなみが運動会当日の点数に加算される
白澤だって皆の協調性を乱すと言う事は十分わかっていた
でも
白澤「おでこだけは嫌なんだ」
どうしても出来ない
それをきっかけに激しい口論となり、誰かが先生を呼ぼうとした時
シンシャ「じゃぁここに付けたら?私もおでこは嫌いなの」
シンシャが前髪より上に付けられた自分の鉢巻きを指さした
白澤「滑り落ちるんだけど…」
シンシャ「髪の毛がさらさらだからね。ならピンも貸してあげる」
白澤「ありがとう///」
2014.11.24
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作者名:辰巳 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/toshi6411/
作成日時:2014年10月20日 19時