06.鎖と足枷 ページ6
店の数が街で一番多いこの市場はなんでもそろっていた
だからそれを買い求めた客であふれ、市場は今日も忙しくにぎやかだった
白澤「冬虫夏草と高麗人参を一つずつ。あとは…」
穀物、果物、宝石、家畜さまざまな出店がありここで買えない物は何もない
白澤「ん?…その子は?」
店の横には身なりはみすぼらしいが、美しい少女がいた
「あぁ。オークションの商品です。置き場がないって言うんで預かってるんですよ」
白澤「…え?」
ここで買えない物は何もない
それは人の命も物と同等
白澤「彼女をもらえないかな?」
「さすが白澤様はお目が高い。しかし私が売る事は出来ないんですよ。
エサ代のかかる役立たずですが、コレはこんななりでも元は貴族の娘だそうで。
お買い求めになりたいのであれば、オークションに参加していただかないと」
店主は無造作にAの髪の毛をつかむと乱暴に引っ張り上げる
Aは焦点の合わない目から涙を流す
白澤「"商品"に手荒な真似はしない方がいいんじゃない?」
白澤は店主の手を払いのけ、Aを抱きしめて耳元で囁いた
白澤「大丈夫。絶対に僕が君を救って見せるから」
Aの目に光が宿り、その時初めて白澤と目があった
そして白澤は初めて人間オークションに参加する
白澤(全財産かき集めれば2億ぐらいいけるかな?)
そんな事を考えているとAの番が来て、身分の紹介をする
白澤が手を挙げようとしたその時、後方から「5億」と言う大声が会場に響き渡った
誰も何も言えずにいると落札を告げる木槌が鳴る音がした
希望を無くした白澤とAの視線の先には、醜く太った男がいやらしく笑っていた
諦めきれない白澤は売り手に「夕方まで6億用意するから。だから引き渡しは待ってもらえないかな?」と頭を下げて頼み込む
白澤は必死に天国や地獄を飛び回って知人からお金を借りて回った
息も絶え絶えになりながら、約束の夕方までにオークション会場に戻ってきた白澤
白澤「ほら。約束の6億だよ?だから彼女を…」
「それが…すぐに欲しいとさらに2億追加があって、引き渡してしまったんです」
白澤「…は?…嘘だろ?」
2014.12.3
07に続きます
人の金額って簡単に付けれないよね
ってことで、金額はワンピースのケイミーにつけられてた額です
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作者名:辰巳 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/toshi6411/
作成日時:2014年11月21日 16時