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38.白壁の誓い ページ42

唐瓜「それでな、その時鬼灯様が―」

就職したばかりの唐瓜は毎日面会に来ては職場の話をしてくれていた

例え私が麻酔が効いた状態で眠っていても

人工呼吸器が入っていて返事が出来ない状態でも

せん妄状態で意味不明な事を話していても

それでも唐瓜は毎日面会に来てくれていた

A「お前はもう学級委員長じゃないんだから、来なくていいだろ?」

唐瓜「帰りに病院に寄るのは俺の習慣のようなものだから」

A「給料が出るわけでもないし、来てもいい事なんて何もないぞ」

唐瓜「Aの顔が見えれば俺はそれだけでいいよ」

A「おかげで私は散々醜態を晒してるんだぞ?」

唐瓜「楽しい思い出だな」

A「お前楽しんでたのか?」

唐瓜「そう言う意味じゃないよ。後になれば笑える話だってあるだろ?
Aがぼけてた時はびっくりしたけど、すっげぇ〜可愛かったよ」

A「私は何を口走ってたんだ?」

唐瓜「それは俺しか知らないAだから内緒」

その時の唐瓜は今まで見た事の無い表情をしてみせた

こんな顔もするのか。と思ってまじまじと見てしまった

唐瓜「A?どうした?」

A「唐瓜…閲覧料払え」

唐瓜「えぇ!!?」

A「私は見世物じゃないんだ。ほれ」

唐瓜「嘘!?本気で言ってるの?」

A「私はいつでも本気だぞ?」

唐瓜「俺現金とかリアルな気がして嫌なんだけど。
それに、閲覧料をもらったら見世物って認めてるようなものじゃないのか?」

A「じゃぁ花を持って来てくれればいいよ」

唐瓜「花?」

A「うん。花屋で売ってるような綺麗なやつを大きい花束で」

唐瓜「別にいいけど…毎日となるとさすがにきついな」

A「毎日じゃなくても、花が枯れる前に新しいのを持って来てくれればいいよ。
その代わり、面会の度に必ず花を買ってきてよ」

唐瓜「…わかったよ」
2014.12.23

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作者名:辰巳 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/toshi6411/  
作成日時:2014年11月21日 16時

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