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35.葉鶏頭と筆 ページ35

物心ついた時から兄は女装をしていて、口調は男のものではなかった

「気持ち悪い」

釜彦「素敵でしょ?」

人に何と言われようと、兄は屈することなく自分を貫き通していた

だからいじめの標的は兄ではなく

「お前の兄ちゃんオカマなんだろ?」

私に変わっていて、幼少期に友達と呼べる人など一人もいなかった

兄妹が多い分遊び相手には困らなかったが、姉三人と、姉もどきの兄が一人

遊びの内容はどれも女の子が好むようなものばかりで、自然と姉達と遊ぶことはなくなっていった

友達も、とうとう遊び相手のいなくなった私は当時の子供にしては珍しく引きこもるようになった

A「おい!!ハゲ」

葉鶏頭「まだハゲてない。葉鶏頭だ」

A「これ今日の授業のプリント」

葉鶏頭「ありがとう」

A「ハゲはなんで学校に来ないんだ?」

葉鶏頭「ハゲじゃない。葉鶏頭だ。行きたくないから行かないだけ」

A「そうか。宿題のプリントが出来てたらもらっていくぞ?」

葉鶏頭「…はい」

A「すげぇ〜。ちゃんとやってある」

葉鶏頭「当たり前だろ」

A「ありがたく写させてもらうよ」

葉鶏頭「お前やってなかったのか」

A「何言ってるんだ?俺はいつもハゲの宿題を丸写しして出してたぞ」

葉鶏頭「おいやめろ」

Aはケラケラと笑っては

A「本当は名前だけ変えて出してやろうと思ったんだけど。
ハゲの字は綺麗すぎてすぐにバレるんだよ」

当たり前のように私の事を褒めてくれていた

葉鶏頭「…そんな事言われたの初めてだ。私の字は綺麗か?」

A「すごく綺麗だよ?いつまで見ていても見飽きないから」

葉鶏頭「…ありがとう///」

A「ハゲが照れたー!!」

葉鶏頭「はっ…ハゲじゃないって!!葉鶏頭だってば!!」

A「アハハハハ。ハゲ学校に来いよ。習字の先生より絶対に上手だから。
俺にも字の書き方を教えてくれよな?」

葉鶏頭「お前の名前…知らないし」

A「あれ?言ってなかったっけ?Aだよ。な?良いだろ?」

葉鶏頭「Aが…私と遊んでくれるなら…」

A「そんな約束いるのか?」

葉鶏頭「ごめん…友達でもないのに…」

A「は?俺達もともと友達だろ?なんでわざわざそんな約束するんだよ。
葉鶏頭がしたい事なら俺はなんだって付き合うよ。だから葉鶏頭も俺に付き合えよな?」
2014.12.17
誰か「NANA」のヤスみたいにかっこいい葉鶏頭を描きませんかね?

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作者名:辰巳 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/toshi6411/  
作成日時:2014年11月21日 16時

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