【鬼灯の冷徹】誰も何も望まない短編集完結 (ページ24)

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24.愛すべき馬鹿　金魚草ページ24

唐瓜「A様!!」

唐瓜が駆けながらAの名前を呼ぶもんだから、Aは仕方なく廊下で立ち止まる

A「なんですか？」

唐瓜「この書類の…」
「おぎゃぁぁぁぁぁ」

立ち止まった廊下の庭先には鬼灯の金魚草畑があった

金魚草の鳴き声によって唐瓜の声が掻き消されてしまったが、なんとなく言いたい事はわかった

A「それは鬼灯様と相談して、今後は…」
「おぎゃぁ…」

Aが金魚草達を睨み付けると金魚草達は口を開けたまま鳴くのを止めた

A「部署を統合して人材を…」
「おぎゃぁぁぁ!!おっふ!!?」

金魚草の鳴き声が変わったのは、Aが一輪の金魚草に思いっきりビンタを喰らわしたからだった

A「ギャーギャーギャーギャーうるさい!!」

金魚草はヒレを頬に当て「親にもぶたれたことが無いのに」とでも言いたげにAを見ていた

A「なんだ!?魚のくせに、豆鉄砲を喰らったような顔をして」

唐瓜「あんたがビンタしたからでしょうが!!?」

A「人が大事な話をしている時に鳴くからいけないんです!!
誰だこんなしつけをするのは…親の顔が見てみたい。
そこに座れ!!座れないなら茎をまげてかがめ!!」

それから金魚草達は永遠とAに説教をされ続けた

後日

鬼灯「おや？金魚草が真っ白に変色していますね」

唐瓜「金魚草にもストレスがあるんじゃないんですかね？」

一部始終を見ていた唐瓜は何が原因であるかを知っていたが

鬼灯「言葉を失う大理石のようですね」

鬼灯がどこか嬉しそうなので真実は胸の内に秘めておく事にした
2014.12.13