03.指導者 ページ3
閻魔「鬼灯君の仕事大変でしょ?だから鬼灯君の手伝いとして新しくAちゃんを雇ったよ」
鬼灯「…は?」
A「よ…よろしくお願いします」
私を見ておどおどとしながらいつまでも頭を下げていたAさん
とても真面目に仕事をしてくれていたんですが
鬼灯「この書類のここが間違っています。前も間違えていましたよね?」
A「すみません」
鬼灯「いい加減覚えてもらわないと困るんですけど。はぁ〜…
こんな事なら一人で仕事をしていた方が早く終わるし楽でしたよ」
A「本当に…すみませんでした」
落ち込みながらも私の前では決して泣かないのを良い事に、来たばかりで出来なくて当たり前のAさんに辛く当たっていた
いつからか私の机の上にはAさんが処理した書類と、書類の一番上には「忙しい所申し訳ありません。訂正箇所が多いと思いますが、見て頂けますでしょうか?」と言う付箋が貼られるようになって
書類を返して説明しようとするが、Aさんはいつも席を外していて付箋上でのやり取りだけとなった
鬼灯「Aさん」
A「はいっ!!?」
久しぶりに会話をしようとしたが、名前を呼んだだけでAさんは身体をビクッとさせ、この世の終わりのような顔をした
鬼灯「書類の間違いも減っています。もう私の確認は必要ないのでそのまま提出していいですよ」
A「…あ…ありがとうございます」
Aさんはその時初めて涙を流して喜んでいた
あの時はとても可愛いと思っていたのに今では…
A「だからぁ!!ここの字ミミズがはったみたいで読めないって言ってんの!!」
鬼灯「読めるでしょうが!!あなたの字の方が小さすぎて何かのシミかと思いましたよ」
仕事が出来るようになって猛反発するようになってきた
可愛くない奴め
A「はい」
鬼灯「何ですかこれ?」
A「伊達メガネ。かけたらかっこいいと思って」
前言撤回…可愛い奴め
鬼灯「でもなんで?」
A「今日は私の誕生日で機嫌がいいんだ。だから鬼灯の誕生日として一緒に祝ってやるよ」
Aさんの機嫌?
そんなもの…私は気にしたことがあっただろうか?
Aさんは元は優しい良い子なのに
Aさんをこんな子に変えてしまったのは、誰でもない私自身だったんですね
2014.11.24
【鬼灯の冷徹】無様すぎて笑える短編集 完結「46.長期休暇」の続きのようなものです
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作者名:辰巳 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/toshi6411/
作成日時:2014年11月21日 16時