【鬼灯の冷徹】誰も何も望まない短編集完結 (ページ20)

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20.☆義経様と！！！ページ20

義経「Aは…何を我慢しているんですか？」

A「我慢なんてしていませんよ？」

Aは義経の質問自体が理解できないと言うように聞いて返した

義経「じゃぁなんでそんな悲しそうな…泣きそうな顔をするんですか？」

義経はAの顔を見て昼間の事を思い出し、自分の感情に気づいた

義経「Aがそんな顔をするから、私は気になって夜も寝れなくなったんです!!」

Aは義経の言葉を聞いて笑う事は無かったが、確実に笑顔を作っていた

義経「今子供っぽいと思ったでしょう？」

A「いいえ。幼くして一人で平泉で鍛錬されている義経様を私は立派だと思っていますよ。
頼れる人もおらず、知らない人ばかりで屋敷の者たちの目もあります。
耐えがたいほどの重圧によく耐え、しっかり立っておられると尊敬していますよ」

義経「Aはそんな風に見ていたんですか？
負けてばかりの私を小馬鹿にしていたんじゃないんですか？」

「まさか」と言って今度こそAは声を出して笑っていた

A「不屈の精神で頑張っている義経様だからこそ、私はあなたにお遣いしたいと思っているんです」

義経「A…」

A「悲しむ事があるとするならば、それは私が女で、戦陣に立って義経様をお守り出来ないと言う事ですね」

義経「またその顔をするのですか？
Aはずっとそんな事を思っていたんですか？」

A「女のくせに…生意気ですよね」

Aは義経に笑って見せながらも、竹刀を力いっぱい握り締めていた

義経「本当に…私より強くあろうとか、私を守ろうだとか生意気です」

A「…ですよね」

Aは竹刀を握ったままうつむき、静かに肩を震わせた

義経「私は源義経です。
立派な武将を目指す私が好きな人に守られてどうするんですか？」

義経は竹刀を握るAの手を開くと、血で滲んだ跡の残る竹刀を投げ捨てた

義経「Aが女らしくある必要はありません。
私より強くても、私は必ずAを守れるほどの武将になってみせます。
だからAは武士としてではなく、妻として私に遣えてもらえませんか？」

月明かりが照らす中、腕の中のAは義経が想像していた以上に細く、か弱い存在だった
214.12.11
☆「ワンピース」のくいなみたいな夢主にしたかったです

この先はバッドエンドしか思いつかない