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13.☆ゴンちゃんとくっついてほしい ページ13

翌日のお昼時、檎は店の前を落ち着かない様子でウロウロとしていた

A「私が一般市民なら通報しているぞ?」

生意気を言いながらAは郵便物を檎に差し出す

檎「今日はいつもより遅くないか?」

A「鬼インフルエンザが流行ってて、同僚が休んだんだ。
檎も外で仕事するなら気を付けろよ?」

檎「ありがとう…あと、これも一緒に届けてもらえんか?」

檎はAから郵便物を引き取ると、1通の手紙を懐から取り出した

Aはその手紙を檎から丁寧に預かると「はっ」と鼻で笑った

A「檎知ってるか?手紙を出すには、切手と宛先が必要なんだ。
後なんだ?この"愛しの人へ"ってふざけた宛名は。
私はこれをどうやって、誰に届ければいいんだ?」

Aは手紙を見て檎をからかってみたが

檎はそんなAを見つめたまま何も言い返そうとはしない

A「檎?…どうした?」

さすがのAも檎の異変に気づいて笑うのを止めた

檎「その手紙は、今ワシが宛先に届けたからもう配達せんでええぞ」

A「え?…あっ!!…はぁっ!!?」

Aは手紙と檎を何度も見つめると、顔を真っ赤にした

檎「明日こそワシ宛ての手紙が届くかのぉ〜」

檎は嬉しそうに笑うと、引き取った手紙を持って店の中へと入っていった

A(今すぐ手紙を読みたいのに…なんで今日に限って配達が多いんだよ!!
でも、今自転車に乗ったら確実にふらついて事故る自信がある)

Aは何も言わず手紙を私物入れの鞄に入れると、自転車を押して歩きながら次の配達先へと向かった

檎(心臓が飛び出るかと思った!!あぁ〜…すっげぇ〜恥ずかしい)

一方、檎は店の中で熱くなった顔を抑えながら、壁を背にしゃがみ込んでいた

妲己「檎!そんな所に座り込んでると邪魔よ!?」

檎は仕事中上の空で妲己様に何回か怒られた

それでも店を閉める時間になれば身体は自然と暖簾を片付けに店先に向かっていた

店の外に出れば、配達服姿のままのAが店先の長椅子に膝を立てて座っていた

檎「A!?」

A「やっと終わったか。檎も長い時間お疲れ様。そりゃ昼寝もしたくなるわな」

Aは笑いながら「いつも叩き起こしてごめん」と言って右手を差し出した

檎「ん?」

A「ごめん。私は自分の字が嫌いで手紙を書くのが嫌いなんだ。
でも、返事はちゃんと届けたいから…
私を檎の彼女にもらってくれないかな?」

檎は右手と言わず、Aの身体ごと引き取った
2014.12.7

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作者名:辰巳 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/toshi6411/  
作成日時:2014年11月21日 16時

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