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11.気の抜けた炭酸 ページ11

鬼灯「ちょっとコンビニ寄っていいですか?」

A「いいですよ」

鬼灯様は私と夜デートする時はいつもコンビニに立ち寄る

そしてゴムや精力剤を買うのではなく

プシュッ

キャップ付きのアルギニン入り炭酸飲料を買う

そして蓋を開けて一口だけ飲むと

鬼灯「ありがとうございました。では行きましょうか」

私は鬼灯様の部屋に招かれる

A「鬼灯様?」

日頃の疲れからか、鬼灯様は私より寝るのが早い

だから私はいつも鬼灯様の寝顔に

A「ぷっ…起きたら驚くぞ」

落書きをするのが日課となっていた

これは私の寂しさの裏返し

A「先に寝るぐらいなら全部飲めよな」

ご丁寧に冷蔵庫で冷やされているアルギニン入り炭酸飲料に怒りを覚えた

蓋を開けたところで、もはや炭酸が弾け飛ぶ音も、空気が溢れて漏れてくる音もしなかった

炭酸の抜けてしまったこの飲み物にエナジーチャージの効力はどれほど残っているのだろうか?

今日のデートのために私が買った服は、下着は、脱がす工程を楽しむだけのものだったのだろうか?

私が時間をかけた髪型は、化粧は乱されるために整えたのだろうか?

A「美味しいのも、楽しいのも最初だけ。所詮鬼灯様は私の全てを必要としているわけではないのか」

気の抜けた炭酸飲料を流しにぶちまけ、私は愉快な寝顔の鬼灯様を置いて

A「女にだって賞味期限があるんだ馬鹿!!」

と、部屋の扉を蹴って鬱憤を晴らしてから帰宅する

翌日職場に鬼灯様が来たが、私は全身全霊をかけて目をそらし、気付かないふりをしては無視し続けた

はけ口を求めていた私は閻魔大王に愚痴っていた

A「デート前にエナジードリンク買ったくせに少しだけ飲んで爆睡して何なんですかね!?
寝たいんなら買わなきゃいいし、気の抜けた炭酸飲料なんかとっておいてどうするんですか!?」

閻魔「あれ?Aちゃん知らないの?」

A「ん?何がですか?」

閻魔「鬼灯様炭酸苦手なんだよ」

A「…え?」

閻魔「だからあれはわざと気を抜いてるんだよ。
鬼灯様は一人で寝付けない子だから、Aちゃんがいるうちに寝れるように飲まないんだ。
Aちゃんが帰ってから、一人の寂しさを乗り切る為に取ってあるんだよ」

A「そうですか…とりあえず…鬼灯様に謝って来ます」

乗り切る物が無くなってしまったのなら

“寂しい”と言う根元を絶てばいいのか

A「見栄ばっかり張って、間抜けな奴め」
2014.12.6

12.☆ゴンちゃんとくっついてほしい→←10.道士と姉 ※グロ注意



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作者名:辰巳 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/toshi6411/  
作成日時:2014年11月21日 16時

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