Language of Flower (ページ20)

今日:4 hit、昨日:8 hit、合計:27,083 hit

__ ページ20

.

今日はAを帰らせた。
たまには帰らせてやんないと疲れるだろうし。

っていうのが表の理由。
本当は、たまに帰らせないと俺のついた嘘がバレる。

愛奈の母親は仕事でたまにしか帰ってこれないって伝えてあるから。

ほんとに帰って来てんだよってことをアピールしなきゃ上手く騙せない。

本当は、Aを騙したくない。
こんな嘘なんかつかずに真実を話してずっと一緒にいたい。

マスターと俺とAの間に沈黙が訪れる。

すると、後ろから声をかけられた。

「あ！あれ？登坂さんっすよね？」

ぼやけた声。声が変とかそういうのじゃないけど、聞き取りにくい声。

反射的に振り向く。
全く知らない顔。Aに声をかけなかったってことはA関係じゃない。

結婚式にも呼んでないし、仕事先の相手でもない。

あいつ関係か。

「初めてまして。
どこかでお会いしましたっけ？」

俺の方が相手より背が高かった。
だから軽く睨みながら返事をすると、

「覚えてない感じっすか？？あれ～おかしいなぁ
まあ、また会うと思いますよ。」

と言いながら去っていった。

また会うことになる。
とはどういうことなんだろうか。

あいつの指示でさっきの奴が動いているということか。

だとしたらすぐにでもAと愛奈をどこかに逃さないと危ない。