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広臣と出会ったバーのカウンターに座る。
4年前はほぼ毎日のように通い、バーテンダーと会話したり広臣と話したりしていたお店。





「久しぶりだね、Aちゃん。」



「…お久しぶりですね。」





こんな会話を交わしたが、続かない。

4年前、ほぼ毎日来ていた私と広臣。
だが、突然、私と広臣がこの東京の夜の街から消えた。







関係を隠すために外で2人で会うこともなくなった。
そして、気がついたら私は愛奈とマンションにいた。




そう。私には4年前から3年前までの1年間の記憶がない。
広臣と出会ったのは覚えてる。初めて会ったのに前から知り合いかのように話した。


そこから奥様も会社の人にも誰にもバレてはいけない秘密の関係が始まった。






「…はい。」






バーテンダーが出してきたのは見た感じオレンジベースのカクテル。





「…マスターこれなに?」





「オリンピック。意味は『待ち焦がれた再会』。

俺ね、ずっと待ってたんだよ?登坂くんとAがお店に戻ってくるの。」





マスターは、にこにこと以前から変わらぬ笑みを浮かべて
「俺は2人お似合いだと思うんだけどなぁ〜」
と続けた。


確かこのマスターは広臣の左手の薬指に指輪がはめられていたのを知ってるはずなのに。

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作者名:星華 x他1人 | 作成日時:2019年3月10日 16時

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