検索窓
今日:17 hit、昨日:12 hit、合計:91,233 hit

48 ページ48

JK「俺ね、本当はAのこと昔から好きだったんだよ」

「昔?」

2人で手を繋いでベンチに腰かけて、グクの肩に頭を置いていたら、ぽつんと呟いた彼。


JK「そう。3歳くらいの時にさ、母さんたちとお祭り行ったでしょ?」

「ああ〜行ったね、懐かしい」

久々に蘇った記憶から、懐かしむことが容易いほど時が経った今はもうその時の感情は覚えていないことも多いけれど。
JK「あの時、はぐれたAを俺が見つけたでしょ?
そしたらA、わたしはグクくんがいないと生きていけない、グクくんの隣にいないと死んじゃうんだって泣いたの。俺あの時のこと鮮明に覚えてるんだよね。

ああこの子は俺が守らなきゃいけないんだって、そう思った。」

晴天を仰ぎながら微笑むグクの横顔があまりにも綺麗で、脳がもう無理だというようにがくがく震えた。

グクから放たれる言葉によって少しずつ記憶が蘇って、その時の感情に胸を支配される。私を助けてくれたグクは世界で1番輝いていて、ずっとこの人の隣にいるんだって幼いながら強く思っていた。

「あの時のグク、すっごいかっこよかった
今でも覚えてるよ。浴衣がぼろぼろになるのも気にせず汗だくで走ってきてくれて。私の中で誰よりも輝いてたの。」

JK「…これ以上可愛いこと言わないでよ
愛しきれなくなっちゃう」

そう言ってはにかむグクに、彼らしい優しい目で見つめられて。あまりにも綺麗で、儚くて、同じ世界で生きている事に疑問さえ抱いてしまうくらい。それくらい愛おしくて、大好きなグク。






JK「…キスしてもいい?」




「もう無かったことにしてって言わない?」




JK「…もちろん。
これからもずっと、俺の隣で笑ってよ」




迷うことなく頷けば、目じりに皺を寄せて嬉しそうに笑うグク。
おでこを合わせて見つめ合えば、どんどん好きが増していく。

目を閉じれば優しく降ってきた彼らしいキス。


きっと私、今世界中で誰よりも幸せだよ


















2人で見上げた空は、見た事のないような
鮮やかな光を纏って輝いていた。


























君と僕が違う世界を生きたなら__Fin

作者より→←47



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (150 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
419人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:toryukina | 作成日時:2020年9月28日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。