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JK「起きてる?」
「…んん」
お風呂から上がれば一気に身体が重くなって、そのだるさにベッドへ倒れ込んだ。そしてそのまま意識を手放そうとすれば。後ろから少しかすれたグクの声が聞こえて、なんとか声を出してそちらに身体を反転させる。
JK「あぁごめんね、起こしちゃった」
「んーん…大丈夫」
私の顔を見て申し訳なさそうに眉を下げるから、目を擦って瞼の重みを和らげる。
JK「俺ね。アメリカへ飛んだ日から今日まで、Aを忘れない日なんてなかったよ」
「急にそういうこと言う…」
心の準備もできていないまま嬉しいことを呟かれて
思わず唇をとがらせる。
そうすればグクは私の頬に手をおいてふふって優しく笑うから、思わず彼の首の後ろに手を伸ばして抱きしめて。私もだよって笑ったら嬉しそうにぎゅっと腰を引き寄せてくれた。
少しだけ顔を離して向かい合うけど、お互い何も話さなくって。笑顔だけで溢れるその甘ったるさに目眩がした。今にも心臓が解けていきそうで、感情の昂りに知らないふりをしてグクの胸に顔を埋める。
「そう言えばなんでジミンさんと連絡取れたの?」
JK「あぁ、俺ヒョンたちと高校の頃から一緒にダンスやっててさ。アメリカ行ったあとAが変な男に絡まれてないか不安になって。
ヒョンたちと同じ大学だって聞いたから、変な虫が近づきそうになったら俺の代わりに潰しといてねって頼んだの」
そう言って前歯を覗かせて笑ってるけど。…だいぶ怖いぞグクくん。だけどグクの言った通りなら、その気持ちが素直に嬉しかったし、これまでのあの二人の意味深な発言に筋が通った気がした。
JK「でもジミニヒョンだけにしとけばよかった
片方のヒョンは普通にお前のこと狙ってたしね」
「テヒョンさんが?そんなことないよ」
JK「…気づいてないならそれが一番だけどね。
まあでも。ヒョンが夢中になんのも当たり前ってくらい、…綺麗になったねA」
そう言ってにこにこと手を繋ぐグクにどうしようもなく嬉しくなった。愛おしそうにこちらを眺めて目を離さないから、そのまままぶたを伏せればゆっくりと唇に柔らかい彼のものが引っ付いて。ちゅ、と音を立てて離れたグクの唇に指を伸ばせば、こちらを見つめたままそれにキスをするから、急に恥ずかしくなってしまう。そんな私にまた笑顔を向けて頭を撫でてくれた。
JK「起こしてごめんね。もう寝な」
「…うん、」
「…グク」
JK「ん?」
「愛してるよ」
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作者名:toryukina | 作成日時:2020年9月28日 17時