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腕を引かれるままグクの行く方向に着いていく。グクにとっては早歩きなのだろうけど、私は今にも足が絡まってしまいそう。だけどそうなってしまってもいいと思えるくらいには、彼に溺れていたんだと思う。早足で向かった先は私の家で、いつか渡した合鍵でガチャガチャと乱暴に扉を開ける。
そのまま手を引かれて2人で勢いのまま家の中に入る。グクが後ろ手で鍵を閉めたと思ったら、そのままぎゅっと抱きしめられた。グクの息遣いは荒くて、その息が耳にかかる度にゾクゾクと胸が震える。
JK「…俺もう、止められないから」
そう少し目を合わせて呟いたと思ったら、ガブッと音をたてる勢いで唇に噛みつかれる。それは高校生時代からのグクの癖で。感情に任せてするとき、私との距離を埋めるかのように引っ付いて、唇を離さない。
噛むことに満足したのか、ペロリと私の上唇を舐めたグクがはぁ、と短く息を漏らす。その姿があまりにも優美で思わず息が詰まる。
JK「…舌」
細く開いた瞳でじっとこちらを見ながらぐっと自身の舌で私の唇を押す。そして薄く開いた隙間から舌を滑り込ませて、そのまま引っ込んでいた私の舌を強く吸う。久々の行為に慣れなくて、もう頭は真っ白で。ぴちゃぴちゃと淫らな音が鼓膜の奥まで響いて、途端に恥ずかしくなる。空いた手でグクの厚い胸板を押すけど、そんな抵抗にはビクともしなくて。
JK「、っ無理だから」
辛そうに顔の中心に皺を寄せて自身の唇を舐めるグクに鳥肌が立った。以前にこんな行為をしたとき、もっとお互いに幼かったし、ただ欲を満たすだけのような形式的なもので。もちろんその時グクは優しくしてくれたけど、初めての想いの籠った行為にビクビクと肩が震える。止まないキスの途中にグクをちらっと見れば、目を閉じた彼が必死に私との隙間を埋めながら眉間に皺を寄せていて、それだけで達してしまいそうだった。
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作者名:toryukina | 作成日時:2020年9月28日 17時