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JM「帰るよテヒョン」
TH「えっなんで!このままAちゃんと夜を明かすんじゃ」
JK「ヒョン、沈むのに積極的ですね」
TH「ひいいいん怖いよジミナぁ」
昼間とは打って変わって可愛らしくなってしまったテヒョンさんの意味深な発言に、グクが彼の頭を鷲掴みするものだから怖い。泣きながらジミンさんに抱きついたテヒョンさんは、襟元を掴まれてジミンさんと共に暗闇の中に消えていった。
「いつ帰ってきたの?」
JK「ついさっきだよ。空港に居たらジミニヒョンからテヒョンイヒョンがお前に絡んでる写真送られてきたからとんできたわけ。」
「…そっか」
当たり前のように私の腰を抱いて歩き出すから、その距離と、私の頬にかかるグクの息に頭がクラクラと痺れた。大好きな人と会えたことだけでいっぱいいっぱいなのに、そんなグクの自然な動作に胸が熱くなる。
JK「どうしたの、…なんか元気ないね?」
心配そうにそう言って私の顔を覗き込んでくるから、グクの大きな丸い目に魅せられて、脳が震えた。
「ううん、嬉しいの。こうやってグクが帰ってきてくれて。…ほんとに夢みたい」
誤解を解こうと必死で言葉を紡ぐ。そうすれば、ゆっくりと進んでいたグクの足がピタリと止まって、必然と私の真正面にあったグクの顔との距離が縮まって。慌てて私も動きを止める。
JK「そういうのやめてよ
……………歯止め効かなくなる」
苦しそうに眉間に皺を寄せたグクから、彼の息とともに吐き出された言葉。その息遣いに目頭が熱くて堪らない。胸の奥から何かがじわじわと這い上がってくる。
「いいよ」
JK「……は?」
グクの目を見たくないのに、目を逸らさせないような、力のこもった表情にどくどくと血流が身体中を這う。
「好きなの…」
熱かった目頭から、堰を切ったように涙が溢れて頬を伝う。言ってしまった。頭は既に真っ白で。
JK「…それ、本気で言ってんの?」
そう言ってぐっと顔を近づけたグクにどくりと心臓が跳ねる。目の前のグクは先程よりも少し目を細めて、苦しそうに唇を噛んでいて。その表情があまりに切なくて、また涙が溢れる。もうどうしたらいいのかも分からないまま、グクの言葉にこくりと頷いた。
「ずっと一緒にいたいの、もう離れるのは嫌だよ…」
ぐっと瞳を大きく開いた後、大きなため息を着くグク。それがどうしようもなく怖くて目を伏せれば、彼の袖に添えていた指にグクのそれが絡められて、そのまま腕を引かれた。
JK「…来て」
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作者名:toryukina | 作成日時:2020年9月28日 17時