君と僕が違う世界を生きたなら JK (ページ41)

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｢……グク｣

時が止まった気がした。
テヒョンさんの首根っこを掴んで後ろへ引くグクは相変わらず端正な顔立ちで。走ったのか、濡れたグクの伸びた長髪は彼の瞳に影を落とす。3年前と比べて随分大人っぽくて、背も高くなってて。見慣れた彼なのに、全然知らない人みたいだ。

JK｢…ただいま、A｣
グクの優しい声に、目頭が熱くなった。手にしていたテヒョンさんをポイと放り投げて、私に近寄るグク。
視線を合わせてにこりと微笑まれて、喉元で止まっていた感情が溢れた。
｢…グク、グクだ…｣

その姿を確かめるようにひたすら名前を呼ぶ私に、楽しそうに笑うグクが愛おしい。以前と変わらず目じりに皺を寄せて微笑むグクの笑顔に手を伸ばす。…グクだ。温かくて、心地がいい。触れているだけで周りがどうでも良くなってしまうくらいに。

JK｢おかえりって言ってくれないの？｣
私の手の甲に自身の手を重ねてん？と首を傾げる。
風で顔にかかった髪を当たり前のように耳にかけてくれて、その手の感触に涙が溢れた。

｢…おかえり、グク｣
グクに応じるようにそう呟けば、満足そうに笑うから。私も嬉しくなって口角が上がる。
JM｢ほらそこ～イチャイチャしないの｣
TH｢…ひん｣

感情に誘われるままグクに抱きつこうとすれば、後ろから高めの声に遮られた。…忘れてた。こちらを見ながらニヤつくジミンさんと、さっきグクに投げられて打っただろう腰を擦りながら泣くテヒョンさん。
ちらっとグクの方を見たら何故か眉間に皺を寄せていて。
JK｢ああごめんなさい。Aがかわいくてつい。
……てかテヒョンイヒョン。

変な虫つかないようにって言っただけで変な虫になれとは言ってませんよね？ぶっ飛ばしますよまじで。｣

TH｢…ごめんなさい｣
JM｢許してあげてよジョングガ。酔っ払うと距離近くなんの。｣

半べそをかきながら素直に謝るテヒョンさんに笑みがこぼれる。こんなに子供のような姿でさえ様になるんだから羨ましい。まぁ酔っ払う前から距離近かったですけどね！とテヒョンさんを庇うジミンさんに心の中で悪態をついていれば、突然ぐっと肩を寄せられた。
JK｢…まぁ俺を呼んでくれたジミニヒョンには感謝してますよ。｣

JM｢あそうなの？俺に怒ってないならテヒョンはどうでもいいや。｣

脆い友情だなぁと半分テヒョンさんを可哀想に思う。
…ていうかさっきのジミンさん、グクのこと呼んでたんだ。そう考えればグクがここにいることも納得出来た。