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「…お弁当捨てなきゃ」
せっかくグクが作ってくれたものだけど
こんな暑い中放っておけるほど日持ちするものじゃないし。
…もったいない、今月もう6回目だよ
はあ、と息を吐いて席を立つ
階段を降りて、校舎裏へ足を早めて。
見慣れたガラクタだらけの道を抜けて裏に回れば、
JK「…やっと来た」
煙草をふかしながら片手をポケットへ忍ばせるグクがいた。
凭れていたトイレの壁に火のついたそれを押し当てて、じゅっと音を立てて煙を放つ煙草をほおり投げる。
「…ポイ捨て良くないよ」
私の言葉に鼻を鳴らして近づいてきたグクに身体を預ける。
JK「寂しかったの?
…かわいーね」
顔を上げれば見慣れた薄い唇が目前に見えて、
それがグクだと確認する前に暖かい温もりが私を襲った
「…っは、」
JK「…まだ慣れない?いくつになっても変わらないよね」
「…逆にグクは日に日に上手くなってる
誰と練習してるのやら」
ハム、と私の上唇を甘噛みして、ペロリと舌を出すグクが目を細める。
JK「お前以外に誰がいんのさ。
…てか、楽しみ妨げないで。」
早く続きをするぞと言うように噛み付いて来たグクの温もりに胸が震える。
果たしてこれが正解なのか。
……彼と私の、過ちなのか。
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作者名:toryukina | 作成日時:2020年9月28日 17時