君と僕が違う世界を生きたなら JK (ページ33)

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YG｢おー、意外と綺麗にしてんじゃん｣

｢…なんかそれ毎年言ってません？｣

そうだっけ、なんてのほほんとしてるユンギ先生にお茶を出して、しばらくたわいもない話をした。

YG｢…愛されてんなぁ、ジョングガ｣

少しの沈黙の後、急にユンギ先生の口から漏れた言葉にぴくりと肩を揺らせば、先生は面白そうに歯茎を見せて笑う。

YG｢クローゼット。ジョングクの服ばっかじゃん｣

しまった。クローゼット、開けっぱなしだった。慌ててその扉を閉める。

…グクの服はどうしても捨てられなくて。

そんな私を見たユンギ先生は、ふと真剣な表情をしてこちらをじっと見つめる。

YG｢…そんなに、自分の気持ちに蓋しなくてもいいんじゃねえの｣

｢…なんのことですか｣

分からないふりをしたけど、目の奥はじんわりと熱くて。

…嬉しかった。
まだグクを想い続けていいんだと言われた気がして。

いつかのように、私の頭をポンポンと撫でたユンギ先生は、もう一度微笑んで帰って行った。

｢…グク、ジョングク｣

…久しぶりに、大好きな人の名前を口にした。

忘れようと思ったけど、やっぱりそんなのは無理で。
何をしている時だって、グクを想ってた。
グクに似た人を選んで抱いてもらって、
グクのような服装をした人を何度も振り返った。

でも私の目に映るのはグクじゃなくて。当たり前だけど、そんな事実がどうしようもなく悲しかった。

気晴らしに何か読もうと、
棚の上の方にあるお目当ての雑誌に手を伸ばした時。

手に当たった硬い何かがカサ、と音を立てた。

手の周りを探ってそれを掴んで視界に入れれば、

｢…グクの手紙｣

封は切られていないまま。

あの日、私は手紙を読めなかった。

見るのがどうしようもなく怖くて。

あのグクが書いたのだと思えば不安な気持ちになるし、内容が予想できないからこそ心の準備がつかなかった。

そして棚の奥に突っ込んだこれが、今になって出てくるなんて。

心を決めて、迷わずに封を切った。

途中で怖くなったけど、心の奥底からジリジリと這い上がってくる熱情には勝てなくて、1枚の手紙を取り出す。

折りたたまれたそれは角が合ってなくて、不器用な彼に愛しさが込み上げる。

_______変わらず綺麗なグクの文字は
私の感情を高まらせるには十分だった。