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太陽が眩しくて。
カーテンの遮りにビクともせずに部屋の中に差し込む光がウザったくて身体を起こす。
あまり身体が動かなかったけど、ぐるぐるする頭をぺちっと叩いて部屋からでる。
｢……目玉焼き、焼こう。｣
いつもは食卓に並ぶはずの、目玉焼きが乗った2つのお皿は無い。そりゃそうだ。グクがいないんだもん。
冷蔵庫を開けたら、
卵のパックに列ごとに貼られた付箋が見えて。
“ジョングクの卵”
“Aの卵”
教科書に載ってるお手本みたいに綺麗な文字が並ぶそれに、何故かグクはこだわっていた。
卵なんて全部同じだって思ってたのに、一つひとつの恵に感謝するグクの隣にいれば、いつしか私もグクの考えに引っ張られていた。
自分で作った卵焼きはへなちょこで、それでもグクはきっと何も言わず食べてくれるんだろうなって思ったらまた悲しくなって。
1人で食事を済ませて携帯を確認するけど望んでるような通知はなかった。それを期待して、グクの方から歩み寄ってきてくれることが当たり前だと思っていた自分もどうかと思う。相当感覚がやられてるみたいだ。
学校へ行く準備をして外に出て、またグクの姿を探すけど、やっぱりいなくて。
謝らなきゃいけない。
それでありがとうって、言わなきゃ。
………きっとあの時グクは、私があとからソリちゃんに嫌われないように、悪い感情を抱かれないように、そうやって言ってくれたんだと思う。それなのに私は、あまりにも無神経で、醜い言葉を放って。
どれだけ腹が立ったんだろうか
ショッピングモールでも。
グクが私を必死の思いで探してくれたんだって、分かってた
8階建てで、すごく広くて、構図も迷路みたいで。何度行っても慣れない所なのに。トイレだっていくつもあるのに。きっと階段をかけ上って、汗をかいて、しんどくなって、それでも私を見つけてくれた。守ってくれた。
グクだって、しんどい思いをしたはずなのに、
また私の言葉で傷つけられて。
…自分勝手に嫉妬して、自分勝手に傷つけた私を、
許してくれるかな。
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作者名：toryukina | 作成日時：2020年9月28日 17時
