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JK「A、起きて。」
「…朝?」
JK「うん、服着よ。」
「はーい…」
高校2年生の夏。窓の向こうで羽を繕う鳩も心底暑そうで。一人暮らしの部屋には似つかないダブルベッドから身体を起こすけど、やっぱり睡魔には勝てなくて、もう一度ゴロンと重力に任せて力を抜く。
JK「なんでまた寝ようとしてんの」
「寝てないよ、鳩みてる」
そうなの?と眉を上げたグクに下着を手渡されて
よいしょと体を起こしてそれらを纏う。にこにことこちらを見ていたグクは、携帯を片手に頬を書きながらそう言えば、と小さく声を漏らした。
JK「…今日、ユンギヒョンがうち来るんだって」
「…ユンギ先生?なんで?」
思い出したように呟いたグクの口から
出たのは我らが担任の名で
JK「なんか生活点検だって。家まで来る必要ないのに」
「…生活点検、」
JK「そ。だから俺今日ここ来れないわ。家戻るね。」
「え、戻るの?」
JK「そんな驚かなくても。普通に考えて俺がここにいちゃダメでしょ?」
…そうだけど
「別に幼馴染みが一緒に遊んでても変じゃないよ」
JK「これ、遊びなの?」
へら、と薄く笑ったグクが制服を着終えて扉に手をかける
JK「ほら、早く着替えなって。目玉焼き焼いとくからさ」
そう言ってで部屋を出ていったグクの背中は相変わらず大きくて。まだ残るベッドの温もりに顔を埋めた。
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作者名:toryukina | 作成日時:2020年9月28日 17時