君の愛が壊れる前に TH

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TAEHYUNG＿





｢よく似合ってるよ｣

そう言って笑うAさんが、優しげな瞳でおれを見つめる。それが恥ずかしくて、彼女の分のネックレスを机から取った。

TH｢おれ、つけたいです｣


そう言えば、少し目を丸くした彼女は直ぐに背を向けて自身の髪を寄せる。その項に胸が熱くなるのを感じたけど、そうなる意味がわからなくて不安になる。
今まで感じたことの無い胸の痛み。わけがわからない。

真っ白な首におれと同じ飾りが付けられて、
それだけで感情が昂った。













おれは、Aさんの家族になる。

ずっと憧れてた関係。
一番近くで、思いやれる存在。
そんな人がいてくれるだけで、生きている理由になると思う。誰かがおれを想ってくれて、考えてくれて、助けてくれる。

そんな幸せなこと、他にあるかな。

いや、きっとないよ。

みんなは生きてることが幸せだってよく言うけど、
人に愛されない人間は生きている意味なんて無い。
価値のない人間は、生きる場所がないんだ。


この世界はずっとそうだ。
だからこの人に、必要な人間だと思ってもらわなきゃならない。
そうじゃないと、おれはまた価値のない人間になるんだろう。



いらない人間になんて、なりたくない






家族。
その言葉がじわっと頭の中で大きな意味を成す。


自分にとって必要な人間だと分かれば、
その人はおれをそんな存在にしてくれる。

欲の発散に利用されても、

暴力を振るわれても、

嫌な事を言われても、

しんどいことをさせられても。




それでも、言われたことをすれば家族でいれるから。


誰かに必要とされてる。
その事実は決してなくならないんだ。



















だから、どうしても、誰かの家族でいたかった。




Aさんとの、繋がりが欲しかった。

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