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私の周りで小さな変化があったのは、
そんな矢先のこと。
｢んん、…今なんて？｣
TH｢大学行きたい｣
いつも通りバイトを終えて家に帰ったら、
ソファでボーッとテレビを見ていたテヒョンくんが
突然そんなことを言い出したから驚く。
ここに来てからそんな素振りは見せたことがなかった彼だから、戸惑いが隠せなくて。それでも彼がこんなふうに自分の望みを口にしたのはこれが初めてと言っても過言ではなくて、どうしてもそれを叶えてあげたくなる。
｢待ってね、どうしたらいいんだっけ？
中学校は卒業してるんだよね、
確かそれなら大検受かれば行けるはずだけど…、｣
何となくの浅はかな知識を引っ張り出しながらうーん、と首を捻っていれば、こちらをじっと見ていたテヒョンくんが何を思ったのか突然立ち上がる。
なんだなんだと声を出す暇もなく近づいてきたと思ったら、するりと頬を合わせられて。
…確かこれ、前にもされた記憶があるんだけど。
TH｢…わがまま言ってごめんね、
Aさんと一緒にいたいっていうおれの
ちっちゃい願望だから気にしないで。
よく考えたらお金もいるのに浅はかだよね｣
焦るわたしを見て申し訳なく思ったのか、
眉を寄せて心配そうに頭を撫でてくれる。
…可愛い。そんな嬉しい願望、気にしないことなんて出来るわけないのに。
｢ね、テヒョンくん
わたしテヒョンくんに出会う前からずっとバイト漬けで生活してきたわけだ。
他の子達よりまだお金はある方なんだよ？｣
両親がそばにいなくとも、ここまで逞しく生きてこれてるんだから。テヒョンくん一人くらい増えたって大丈夫だよ。
｢それに、わたしもテヒョンくんと一緒に行けるならすごい嬉しいよ？｣
テヒョンくんの寂しげな瞳の緊張感を解きたくて、
素直に気持ちを伝えたら途端に彼はキラキラと目を輝かせて。
TH｢ほんと？…ううん、無理しないで
Aさんが頑張って働いたお金はAさんのために使わないと｣
｢もう、分かってないな。
テヒョンくんが嬉しかったらわたしも嬉しいの！
だから気なんて使わないで、ね？｣
今度はわたしが頭を撫でる番みたい。
擽ったそうに頬を緩めるテヒョンくんが
愛おしくて仕方ない。
TH｢うん、ありがとう
おれもいっぱい、勉強する｣
そう言って胸を張ったテヒョンくんは以前よりも少しだけ逞しくなったように見えて、相も変わらず安らぐ彼の笑顔に顔を綻ばせた。
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toryukina(プロフ) - 月花さん» ありがとうございます泣『テヒョンくん』という設定はございますが、ご本人様の芯の強い真っ直ぐな部分は削らず活かして描きたいなぁと常に考えながら執筆してきましたので、まさかこんな素敵なお言葉が頂けるなんて感謝感激です、是非完結までお付き合いください。 (2021年4月25日 2時) (
レス) id: d3fbdbb496 (このIDを非表示/違反報告)
月花(プロフ) - テヒョンの儚さと一途な真っ直ぐな感じに引き込まれます！どんどん読み進めたい欲が出て来ます（笑） (2021年4月25日 0時) (レス) id: 648d58e66d (このIDを非表示/違反報告)
toryukina(プロフ) - (*'^'*)さん» ほんとですか!?沢山お褒めの言葉を頂けて、嬉しい限りです。ありがとうございます！これからもご期待に添えますよう、努力します(^^)完結までどうぞお付き合いくださいね。 (2020年5月26日 11時) (レス) id: 9e983f2ae7 (このIDを非表示/違反報告)
(*'^'*) - めっちゃよかったです！ 私はテテペンなので、読んでて最高でした！心臓、バックバクでヤバイです。 こんな話を作れるなんて、天才ですね。うらやましいです。続きが気になります！次の話も楽しみにしてます！ (2020年5月22日 14時) (レス) id: 18287f45f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：toryukina | 作成日時：2020年5月8日 13時
