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…好き、なのかな。
ジョングクに言われてからそんな感情が胸をぐるぐると渦巻いている。かと言ってはっきりとした思いがある訳でもなく。
｢…雨だ｣
白いカーテンの隙間から視界に入る雫と、ポツポツと耳に届く雨の音。
そう言えばテヒョンくん、雨嫌いだったっけ。
窓の外で荒れる雨を顔を歪めて眺めるテヒョンくんに声をかければ
“空の色が見えないんだ”
そんな、彼らしい事を呟いたことがあった。覗き込んだテヒョンくんの瞳は少しだけ濡れていて、悲しそうな表情にやるせなくなった。それからは雨の日、必ず空を見るテヒョンくんの隣に座るようになって。外を見つめるテヒョンくんがあまりに儚くて、消えてしまいそうで。
さらさらとした黒髪が彼の肌の白さを一層際立たせて、その優美な姿に少しだけ泣きそうになった。
朝ご飯を食べて暫くしたら降りやんだ雨に安心する。
大学へ向かう準備をして、新調したワンピースを身に纏った。軽くメイクをして家を出れば、雨上がりの空が眩しくて。少し暖かい風にぐっと伸びをして、大学へ急いだ。
いつも通り講義に出て、お昼ご飯をヨンちゃんと共にした。食堂へ向かう途中、友達と出てきたジミンと目が合ったけど、軽く会釈されただけでそれ以上は何も無くて。ジミンとの距離が出来てしまった気がするけど、それを望んでいたようにほっと息をついた。
YN｢A？どうしたの｣
教授のメガネの縁をぼーっと眺めていたら、
心配そうなヨンちゃんの声と共に肩を揺さぶられて。
｢ごめん、なんでもないよ｣
YN｢そう？最近なんかぼーっとしてること多いよ。
ちゃんと寝てる？｣
｢そんな心配しなくても大丈夫だよ。
それよりヨンちゃんの方が隈ハッキリしてるけど？｣
話を逸らしたけど、あまり寝れていないのは事実で。
テヒョンくんがいなくなってからの孤独感とか、ジミンとの関係とか。慣れない環境の変化に身体が追いつけず不調を訴えていた。
まだ心配そうなヨンちゃんに申し訳なくなって、繕うように笑顔を浮かべる。それに少しだけ安心した様子の彼女に、素敵な友達を持ったものだなぁと感慨深くなった。
YN｢降ってきちゃったね｣
｢ほんとだ、傘持ってきててよかった。｣
大学を出れば生憎の空模様で、
ポシェットから折り畳み傘を取り出す。
ひらひらと手を降ったヨンちゃんと別れて
帰路を急いだ。
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toryukina(プロフ) - 月花さん» ありがとうございます泣『テヒョンくん』という設定はございますが、ご本人様の芯の強い真っ直ぐな部分は削らず活かして描きたいなぁと常に考えながら執筆してきましたので、まさかこんな素敵なお言葉が頂けるなんて感謝感激です、是非完結までお付き合いください。 (2021年4月25日 2時) (
レス) id: d3fbdbb496 (このIDを非表示/違反報告)
月花(プロフ) - テヒョンの儚さと一途な真っ直ぐな感じに引き込まれます！どんどん読み進めたい欲が出て来ます（笑） (2021年4月25日 0時) (レス) id: 648d58e66d (このIDを非表示/違反報告)
toryukina(プロフ) - (*'^'*)さん» ほんとですか!?沢山お褒めの言葉を頂けて、嬉しい限りです。ありがとうございます！これからもご期待に添えますよう、努力します(^^)完結までどうぞお付き合いくださいね。 (2020年5月26日 11時) (レス) id: 9e983f2ae7 (このIDを非表示/違反報告)
(*'^'*) - めっちゃよかったです！ 私はテテペンなので、読んでて最高でした！心臓、バックバクでヤバイです。 こんな話を作れるなんて、天才ですね。うらやましいです。続きが気になります！次の話も楽しみにしてます！ (2020年5月22日 14時) (レス) id: 18287f45f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：toryukina | 作成日時：2020年5月8日 13時
