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ジミンと別れてから、講義に出る気にもなれず
ヨンちゃんに連絡だけ入れて大学を後にした。
それからしばらく繁華街をフラフラとさまよって、
少しだけバーに立ち寄った。
木曜日の昼下がりに学生が何をしているんだという目で見られたけど、アルコールを口に含んでしまえばそんなのどうでも良くなって。
だんだん熱っぽくなる頭を抑えてタクシーに乗った。
運転手さんにグダグダと住所を伝えて、
呆れられながらも帰路に着く。
タクシーを降りて、少しでも酔いを覚まそうと横揺れしながらアパートの前を彷徨く。
｢やだお嬢ちゃん、まだ若いんだから道踏み外しちゃだめよぉ！｣
たまたま通りかかったであろうご機嫌なおば様に
うふふと肩を叩かれ、その強さに声にならない悲鳴を上げた。
｢はい…｣
小さく返事すれば、
返事は大きい声で！チャンスが逃げてくじゃないの！
とまたプリプリと怒りながら歩いていってしまう。
…もう、なんなの。
テヒョンくんはいなくなるし、
ジミンとは関係が崩れてしまったも同然だし、
テンションの高いおば様に絡まれちゃうし。
一日で色々起こりすぎじゃない？
嫌になっちゃうよ。
…もう。
テヒョンくんのバカ。こんな時こそ癒してよ。
無愛想でも口角が上がれば無邪気なその笑顔で
ずっと道を照らしてくれればいいのに。
｢…テヒョンくん
いないの？テヒョンくん…
ねえってば、｣
馬鹿みたいなのは分かってる。
呼んだら現れないかな、なんて淡い期待に望みをかけて。
気づいたら滴り落ちていた涙にも知らないふりをして
何度も何度も彼の名前を呼ぶ。
長い時間を共にしたわけじゃなかった。
同じ趣味があったとか、
境遇が同じとか、
共通点とか、そんなの何一つなかった。
ただ、
わたしの家の自転車置き場で蹲っていた
“テヒョンくん”と
そんな彼を見つけて家にいれた
“Aさん”。
…ただそれだけの関係。
なんの接点もなくて、
考えていることさえ分からない。
何もかも違う彼だから、惹かれてしまったのかな。
わたしの知らない世界を見て、
色のない人生を歩んだ、
わたしとはかけ離れた人だから。
当たり前を知らないあなたに
わたしが沢山のことを経験させてあげたいと思った。
愛されてこなかったあなたを
わたしが愛してあげたかった。
｢テヒョンくんってば、
返事してよっ…｣
｢…ほんと、なにやってんの
ヌナ｣
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toryukina(プロフ) - 月花さん» ありがとうございます泣『テヒョンくん』という設定はございますが、ご本人様の芯の強い真っ直ぐな部分は削らず活かして描きたいなぁと常に考えながら執筆してきましたので、まさかこんな素敵なお言葉が頂けるなんて感謝感激です、是非完結までお付き合いください。 (2021年4月25日 2時) (
レス) id: d3fbdbb496 (このIDを非表示/違反報告)
月花(プロフ) - テヒョンの儚さと一途な真っ直ぐな感じに引き込まれます！どんどん読み進めたい欲が出て来ます（笑） (2021年4月25日 0時) (レス) id: 648d58e66d (このIDを非表示/違反報告)
toryukina(プロフ) - (*'^'*)さん» ほんとですか!?沢山お褒めの言葉を頂けて、嬉しい限りです。ありがとうございます！これからもご期待に添えますよう、努力します(^^)完結までどうぞお付き合いくださいね。 (2020年5月26日 11時) (レス) id: 9e983f2ae7 (このIDを非表示/違反報告)
(*'^'*) - めっちゃよかったです！ 私はテテペンなので、読んでて最高でした！心臓、バックバクでヤバイです。 こんな話を作れるなんて、天才ですね。うらやましいです。続きが気になります！次の話も楽しみにしてます！ (2020年5月22日 14時) (レス) id: 18287f45f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：toryukina | 作成日時：2020年5月8日 13時
