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JM「A、お願いだからもう止めて、
そろそろ怒るよ」
耳元で微かにそんなジミンの声が聞こえるけど、
もうその言葉の意味を頭で組み立てる力もなくて。
JM「ほら立って」
「ん、も無理飲めないよ…」
JM「当たり前でしょ、そんだけ飲んだんだから
タクシー呼ぶからちょっと待って」
ジミンがわたしを気遣って腰元を支えてくれる。
でもそれだけでは歩けないほどフラフラなわたしは
彼の肩に頭を乗せるようにしてお店を出て。
「…おかね、」
JM「そんなのどうだっていいから」
回らない頭で考えたことは、
ジミンによってすぐに制止される。
タクシーを待つ間、歩道脇に2人で並んでいた。
わたしの腰を支えるジミンと、
それに頼りっきりで身体を預けるわたし。
身体は密着しているのに、ジミンはそれを拒まないから。…ほらまた、勘違いしてしまう
JM「あ、タクシー来たよ
お金は払っとくから気をつけて」
……ジミンが、わるいんだ
わたしの望む全てを与えてくれるから
わたしの心を奪っていくから
…あなたは心を、くれないから
「いっしょにきて…
ジミンといたいの」
JM「A、」
ぼんやりとする視界の隙間に、瞳孔を開いたジミンが映る。彼の前に移動して、ジミンがわたしにそうしているように、わたしも彼の腰に腕を回した。
それでもまだジミンは拒む事をしなくて。
…拒んで、ほしかった
きっぱり諦めたかった
「帰りたくないよ…
ジミンがいい」
気持ちが溢れだしてしまう前に。
JM「…っ乗って」
ジミンの胸元に顔をうずめたら、
上から切羽詰まったような彼の声が聞こえた。
ジミンの声に誘導されるままに
車に乗り込んで、住所を伝える。
あっという間に窓の外の景色が変わって、少し暗い住宅街へ入っていく。そんないつもの風景でも、隣にジミンが居ればすごく綺麗で。
タクシーへ乗り込んでからジミンは何も喋らなかったけど、腰に回されたままの手からその温もりが伝わってきて気分が紅潮する。
車が停車した振動が身体に響いて、ゆっくり顔を起こす。鞄からお財布を出してお金を払い始めたジミンに、未だぐらぐらと揺れる頭を抑えながら鞄を漁る。
JM「いいよ」
さっきと同じように軽く止められて、
申し訳なくなる。
お釣りを受け取ったジミンが急かすようにわたしの腕を引いてタクシーを出て。見慣れたアパートに向かって歩き出して、……そしたら
TH「…Aさん」
白い息を吐く、テヒョンくんの姿
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toryukina(プロフ) - 月花さん» ありがとうございます泣『テヒョンくん』という設定はございますが、ご本人様の芯の強い真っ直ぐな部分は削らず活かして描きたいなぁと常に考えながら執筆してきましたので、まさかこんな素敵なお言葉が頂けるなんて感謝感激です、是非完結までお付き合いください。 (2021年4月25日 2時) (レス) id: d3fbdbb496 (このIDを非表示/違反報告)
月花(プロフ) - テヒョンの儚さと一途な真っ直ぐな感じに引き込まれます!どんどん読み進めたい欲が出て来ます(笑) (2021年4月25日 0時) (レス) id: 648d58e66d (このIDを非表示/違反報告)
toryukina(プロフ) - (*'^'*)さん» ほんとですか!?沢山お褒めの言葉を頂けて、嬉しい限りです。ありがとうございます!これからもご期待に添えますよう、努力します(^^)完結までどうぞお付き合いくださいね。 (2020年5月26日 11時) (レス) id: 9e983f2ae7 (このIDを非表示/違反報告)
(*'^'*) - めっちゃよかったです! 私はテテペンなので、読んでて最高でした!心臓、バックバクでヤバイです。 こんな話を作れるなんて、天才ですね。うらやましいです。続きが気になります!次の話も楽しみにしてます! (2020年5月22日 14時) (レス) id: 18287f45f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:toryukina | 作成日時:2020年5月8日 13時