にじゅうはち ページ29
赤羽君と私の中をよく思わない女子から受けたいじめ。
蹂躙されたこと。
それを前原が慰めてくれたこと。
復讐したこと。
そして今の私の気持ち。
話し終わって、啞壁根君からどんなおとがめが来るかと思いきや、赤羽君はしおらしい表情だった。
その様子に戸惑っていると、今度は赤羽君が勢いよく頭を下げた。
「えぇ…? 赤羽君? 急にどうしたの? 頭あげて…」
「…ごめん、花宮さん…俺、何も知らないくせに、あんなひどいこと言って……。さんざんビッチだとか、尻軽だとか、花宮さんが一番傷つくようなひどいことばっか…」
「えっ、そんなの知らないからそう思って当たり前だし、だいいち私の日ごろの行いが…」
「そうだとしても、花宮さんを傷つけたことは事実だから、ごめん」
「……優しいんだね、赤羽君。私はこそ赤羽君にひどいこと言ったし、それに、いくらけがされたとはいえ、あんなひどい復讐した私のことは何も言わないんだね」
「……まぁ確かに、花宮さんがやったことは褒められたことじゃないってのはわかってる。万人ウケするやりかたじゃない。だけどさ、俺、全く悪いことだって思わないんだ」
「え?」
赤羽君の腕が、私の腰にまわる。
そして、強く、抱きしめられた。
恥ずかしさのあまり、顏に熱が集まっていくのっを感じる。
「……だって俺、多分花宮さんのこと好きだから。話聞いて確信した。俺をここまで一途に思ってくれるまっすぐな花宮さんが好き。ほんっと、無事でよかった。……そんで、一番花宮さんがキツイときに、そばにいてあげられなくってごめん」
そして、ずっと欲していた、言葉。
ずっと望んでいた結末。
赤羽君の突然の告白に、涙があふれた。
「はは、涙でぐしゃぐしゃじゃん」
赤羽君の手が優しく私の涙をぬぐう。
あったかい。
しばらくして、赤羽君は涙が引いた私の肩をゆっくりおした。
「……いい?」
かすかに紅潮した赤羽君の頬。
荒くなった呼吸。
私はゆっくりうなづいた。
その日、私は初めて好きな人に抱かれた。
今までに見たこともないような優しい顏、優しい手つきだった赤羽君を私は一生忘れないと思う。
・
「ねえ、カルマ」
「なに?A」
「大好き」
カルマが照れたように笑う。
「ははっ、俺も」
相思相愛。
握られた手から伝わってくる暖かさがたまらなくうれしくて。
私はカルマに微笑み返した。
end
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さをり(プロフ) - salomeさん» 返信遅れて申し訳ございません。あけましておめでとうございます。いつもコメント、そしてご愛読ありがとうございました。よろしければほかの作品もよろしくお願いしますm(__)m」 (2018年1月17日 20時) (レス) id: 03e7d0d3bc (このIDを非表示/違反報告)
さをり(プロフ) - ツンデレ様さん» 返信遅れてしまい申し訳ございません。リクエスト、承知致しました。また、時間に空きができ次第連載しようかなと思っている所存ですm(__)mあけましておめでとうございます!!そして、ご愛読ありがとうございました!ほかの作品もよければごらんくださいm(__)m (2018年1月17日 20時) (レス) id: 03e7d0d3bc (このIDを非表示/違反報告)
salome(プロフ) - 明けましておめでとうございます今年もよろしくお願いします後更新待っています (2018年1月2日 11時) (レス) id: 31aa9c013b (このIDを非表示/違反報告)
ツンデレ様 - 小説に関係ないけど明けましておめでとうございます!今から私の好きな小説のコメント欄にあけおめって言いまくってるんですよねー(おいこら迷惑ダロ殴(すんませんー) (2018年1月1日 12時) (レス) id: dce25d3fc6 (このIDを非表示/違反報告)
salome(プロフ) - 更新とても嬉しいですあの時夢主が何故自分から離れたのが事の真相を聞いてカルマがどう思いどう動くのが気になります更新待っています (2017年12月31日 16時) (レス) id: 31aa9c013b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:一六八 | 作成日時:2017年5月19日 14時