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じゅうきゅう ページ20

前原は私の言葉に一瞬目を見開いたが、すぐに優しく目を細めた。


「好きになればいいだろ。俺もお前の事好きだし」

「えっ……」


前原が、私を?

多少は意識されてるとは思っていたけど、だけど前原には本命がいるって……。

確か、野生動物だとかなんとか。

どう考えても私のことじゃない。


突然の告白に動揺を隠せないでいると、顔にあった前原の手が、背中に回ってくる。

そして、ぐっと引き寄せられ抱きしめられた。

強く。

これまでにないくらいの密着。

前原の心臓の音を体で感じた。

落ち着く……。

安心感に包まれ、私はすんなり体を前原に預けた。

耳元で、前原の宥めるような声がする。


「俺が、もう守ってやるから心配すんな」

「……うん」

「だから、もう泣くな」

「……っ」


前原にぐいっと、引き剥がされ頬をつたった涙を拭われた。

その真っ直ぐな前原の瞳をじっと見つめていると、吸い込まれそうになる。


暫く見つめ合っていると、沈黙に耐え難くなったのか、前原があのさ、と口を開いた。


「なに……?」

「……キスしてもいい?」

「……っふ」

「なんで笑うんだよ!!」

前原のちょっと拗ねた顔が面白くて、また笑ってしまう。

「ごめんごめん、前原普段なら絶対こんなこと聞かないのに下手にでてるのが面白くて」

私が素直にそう言うと、前原は眉間にしわを寄せた。

「うるせえな、だって大切にしたいとかいいながらがっついたらだせえだろ」

頬をほんのり赤くして言った前原の言葉が、嬉しくて私はそれに答えるように首に手を回した。


「……いいよ」

「……えっ」

「キス、して」


前原がそっと私の顎をすくう。

そのまま、ゆっくり唇が近づいてきてそっと触れたかと思うと、何度も何度も前原の唇が重なる。

互いの唇が、どんどん熱くなって、それがどちらの温度なのかわからなくなってきていると、そっと舌が侵入してきた。


「……っは、」

「ん……」


目の前と頭が前原でいっぱいで、私は夢中になって舌を絡めた。

にじゅう→←じゅうはち



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さをり(プロフ) - salomeさん» 返信遅れて申し訳ございません。あけましておめでとうございます。いつもコメント、そしてご愛読ありがとうございました。よろしければほかの作品もよろしくお願いしますm(__)m」 (2018年1月17日 20時) (レス) id: 03e7d0d3bc (このIDを非表示/違反報告)
さをり(プロフ) - ツンデレ様さん» 返信遅れてしまい申し訳ございません。リクエスト、承知致しました。また、時間に空きができ次第連載しようかなと思っている所存ですm(__)mあけましておめでとうございます!!そして、ご愛読ありがとうございました!ほかの作品もよければごらんくださいm(__)m (2018年1月17日 20時) (レス) id: 03e7d0d3bc (このIDを非表示/違反報告)
salome(プロフ) - 明けましておめでとうございます今年もよろしくお願いします後更新待っています (2018年1月2日 11時) (レス) id: 31aa9c013b (このIDを非表示/違反報告)
ツンデレ様 - 小説に関係ないけど明けましておめでとうございます!今から私の好きな小説のコメント欄にあけおめって言いまくってるんですよねー(おいこら迷惑ダロ殴(すんませんー) (2018年1月1日 12時) (レス) id: dce25d3fc6 (このIDを非表示/違反報告)
salome(プロフ) - 更新とても嬉しいですあの時夢主が何故自分から離れたのが事の真相を聞いてカルマがどう思いどう動くのが気になります更新待っています (2017年12月31日 16時) (レス) id: 31aa9c013b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:一六八 | 作成日時:2017年5月19日 14時

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