「私の赤羽君なんだからっ！！」

じゅうし ページ15

目の前が真っ暗になる。


それと対象に頭は真っ白になる。


だんだんはやくなってゆく鼓動が警鐘のように響き渡る。



「あとは好きにしていいよ」


クスクス笑って離れていく女子達。


迫り来る男のごつごつとした手。


荒くなった男の息遣いが本気で不愉快だった。



「はあ、はあ、Aちゃん」


「下着ピンクなんだね、かわいい」


「……っやめて、触らないで」


振りほどこうとも、体中に絡みつくような手は離れてくれない。


……助けて赤羽くん。


心のどこかで、聡明な彼の助けをまっていた。


ひょっとすれば、もしかしたら。


だけど、そんな希望も絶望に塗り替えられ、




「いやぁああああぁあぁぁっっ！！ はなせよっ！」


「ちゃんと抑えとけよ？ はいらないだろ？」


「そんな大声だしても無駄無駄。 ここには俺ら以外誰もいないから」


「ぁあああああああ！！！！！！あああ！！っ！」



その日私は乱暴された。



赤羽くんはこなかった。



むしろこなくてよかったのかもしれない。


あんな姿みせられないし、それに、赤羽くんまで巻き込むようなことがなくてよかった。



でも


怖かった。



もみくちゃにされて



自尊心をふみにじられ



とてつもない吐き気がこみあげてくる。



ぐちゃぐちゃになった制服を整え、床から起き上がった。



かえらなきゃ。



きっとお母さんも心配してる。



よたよたふらふら、夜道をゆっくり歩く。



私って一体なんなんだろう。




「A？」

じゅうご→←じゅうさん

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す