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『んふふ〜、』
柔らかい頬にまた手を伸ばすとその手が沖田くんによって掴まれた。?、と理解出来ないでいると沖田くんは徐に起き上がってまだ熱を持った表情で見つめられる。
『おきた、』
くん、と呼ぼうとした時、顔が首元にすり寄せられる。すん、と鼻を吸う音が聞こえて来るが腕を掴まれていて逃げることが出来ない。
『おきたく、ん…っ、』
「…甘い」
突然這わされた舌に情けない声が漏れる。驚きと困惑で酔いが覚めた。それほど急だったのだ。
『ちょ、やめ、…っうぁ、』
熱を持った熱い舌が何度も私の首筋をなぞる。抵抗しようと掴まれている腕で体を押そうとするがそれすら叶わない。助けて下さい、と土方さんの方に視線を向けるとゆらりと立ち上がった土方さんがこちらに近づいてくる。
良かった、助かる。そう心の中で安心した時、ざり、と頬に熱いものが這う。数秒思考が停止してそれが土方さんによるものだと理解した。
『えっ、ちょっと、』
「…甘ぇな」
沖田くんと同じことを言って、今度は耳朶をはむ、と甘噛みされ体が反応する。なんで、さっきまで二人とも普通だったはず、羞恥によって集まる顔の熱に隠す手すら掴まれ涙が浮かぶ。
『やっ、』
目視できる場所にずっと建っていた看板の隅。角に小さく書かれた文字が目に入る。【中身は酒とは限りません】。
「Aさん、」
「A、」
低く掠れた声が耳から入ってぐるぐると頭の中を回る。ダメだ、何とかしないとマジでやばい。喰われる、そう目を固く瞑ると一気に押し寄せるずしりとした重み。
『う゛っ、』
あまりの重さに目を開けると二人が私にもたれかかって眠っている。視界の先には現れた扉。私にこのふたりを運べと??がく、と肩を落とし、何とか二人を外に連れ出したあとは適当に近藤さんへと連絡を入れ、そのまま放置することにした。
あの部屋には一生感謝しないと決めた。
【紅を引いて口付けろ】坂本辰馬→←【飲み比べろ】土方十四郎 沖田総悟
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トろさん(プロフ) - ニコさん» わあああほんとですね!誤字ってました…、教えて頂きありがとうございます!! (2022年10月2日 8時) (レス) id: 52ab68bbcb (このIDを非表示/違反報告)
ニコ(プロフ) - 細かくてすいません…新撰組じゃなくて真撰組だと思います… (2022年10月2日 0時) (レス) @page49 id: 3cff96fe75 (このIDを非表示/違反報告)
ニコ(プロフ) - 細かくてすいません…新撰組じゃなくて真撰組だと思います… (2022年10月2日 0時) (レス) @page49 id: 3cff96fe75 (このIDを非表示/違反報告)
塩おにぎり(プロフ) - めちゃくちゃ嬉しいです!!😭😭😭主様天使! (2022年8月23日 21時) (レス) id: 75433748f1 (このIDを非表示/違反報告)
トろさん(プロフ) - 塩おにぎりさん» ありがとうございます😭😭近いうちに神威で描かせていただきますねっ!! (2022年8月23日 21時) (レス) id: 52ab68bbcb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:トろさん | 作成日時:2022年7月24日 18時